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うさぎさんを描きましょう。その一。

こんばんは!ちょっとシリーズものの記事を書いてみます。いつもTwitterでは僕のデッサンをお褒めいただき大変ありがたい限りなのですが、僕なりに考えるデッサンの基礎の話をしてみます。これであなたも絵が描けるようになるかも⁉

うさぎデッサンの描き方を連載形式で解説します。

デッサンの描き方、デッサンの基礎を教えます、って、なんか僕が言うのも恐縮しちゃいますが堂々と書きます!

とはいっても、作品を見せずにデッサンを語っても説得力ないですよね。紙に鉛筆で描いてますが、木炭デッサンでも基本の考え方は同じです。僕はうさぎ専門彫刻家。美術系大学の彫刻専攻出身です。

できるだけわかりやすく、連載形式で説明していきましょう💪

各回のテーマとリンク先は文末にまとめています。

さて第一回は、描き出しの話をしてみます。大まかな形の捉え方と、その訓練法についてです⏱

デッサン描き始め。基本の三つ

デッサンの描き始めの注意点として必ず教わるのが、

  1. 画面いっぱいに大きく描くこと
  2. 細かいところに気を取られないで、大きな形に単純化して見ること
  3. 比例(プロポーション。縦横比とか大きさの違いとか)を整えること

この3つではないでしょうか。1はそのまんまなのでいいとして。2と3のお話をします。

形を単純化してとらえる

今まで僕が描いた絵の描き出しと完成を並べて画像にしてみました。

描き出しと完成
描き出しと完成
描き出しと完成
描き出しと完成

描き出しの段階では、まぶたとかひげとか爪とかは気にしません。頭が丸。肩のブロック。そんな見方です。
これはいつか描いたデッサンの元写真

モデルうさぎ元写真
モデルうさぎ元写真

と、僕がとらえた大まかなイメージ像。

大体の配置イメージ
大体の配置イメージ

いきなり描き始めずに紙をしばらく見つめてこのようなイメージ像を描き、うさぎさんのどの部分が画面上どこに収まるか考えると失敗しにくいです。

配置が決まったらキーとなる点や線を紙の上に置いていき、それをつないで輪郭を詰めていく。描き進めるうちにおかしいところに気づくので直しながら進めます。これがデッサンの序盤。

このように見る力をつけるために、序盤とか線描くらいまでで完成にしちゃう絵を何十枚も描いて鍛える、っていうのが昔ながらのやり方です。

でもそれ大変なんですよ。例えば全体的にちょっと上にずらす、というのも大工事になっちゃいます。

そこで。

Excelを活用したデッサン練習法

Excelの図形で描いてみるのもいいかもしれません。お手本はできれば本物のうさちゃん。飼ってなければ写真でもいいです。

これは僕がさっき作ったやつです。

Excelうさぎ絵

結構それっぽくないですか?全部基本図形でできています。わかりやすく輪郭だけにしたのがこちら。


全身バージョンもあるよ🐇

エクセルうさぎ絵

こっちは全部楕円で描きました。

エクセルうさぎ絵

後でうさけつも作ってみたので追加。

Excelうさぎ絵
Excelうさぎ絵

楕円とかの基本図形作って、大きさ変えたり傾けたり、細長くしたり、位置を調整したり。

フリーハンドじゃない既製の図形なので、単純化して見ざるを得ないです。逆にそれがデッサン力のトレーニングになるんじゃないかと。

パソコンを使う利点はもう一つあります💡

それは、画面をまっすぐ見て描けることです。デスクトップでもノートでもいいのですが、たいてい視線が画面とほぼ垂直に向きますよね?なのに絵を描くときには絵を机の上に置いて斜め上方向から見ちゃう人が多いと思います。斜めから見ると絵が縮んで見えるはず。

改めてまっすぐ見ると今まで斜めから見て描いていた部分が大きく狂っている!なんてことに😱

モニター越しに見ればまっすぐ絵を見ながら正しい姿勢で練習できます。パソコンで練習しつつ、絵をまっすぐ見て描く習慣も身につけたいですね!

いったん休憩🍵🍡

うちの木彫りうさぎのぷいちゃんです(*^^*)

ぷいちゃん
ぷいちゃん

比例(プロポーション)を正確に描く

あと比例の話。体の各パーツ、例えば頭と体を比べてみましょう🐇🐰。大きさの差はどれくらい?目の高さと比べて肩のトップは上か下か。などなど。どのーパーツを作るときも、他のパーツとの関係を見ながら作ります。なので、描いている部分と見ている部分が別ってことがざらにあります。

この比例を見る力をつけるのにもExcel絵は有効だと思います。

ここで、大きさとか比例とか間違っていて形がゆがんで見えることを「デッサンが狂ってる」なんて言います。今風に言えば作画崩壊です。

ちなみに自分の場合、輪郭線がぶつかりそうになると無意識に避けようとする癖がありました。そのせいで形が歪むんです。

さてここで問題です💭

上と下の青線を良く見比べてみて。

形の違いがわかりますか?

上の方が少し横に長いですよね。こうして比べてみるとわかるんです。ではこうするとどうでしょう❓

上の状態が修正する前。下の状態が比例をみて形を修正した後。
耳の長さ(青線の縦の長さ)と、胴体の長さ(青線の横の長さ)の比をモデルと良く見比べたら、横線が長かったんです。

これをきっかけにおしりの方も遠近法で小さくするなどの調整をした結果、奥行き感が自然になりましたね。

ある部分と別部分の長さ、大きさ、角度、形などを見比べて、形の狂いを直す。比較する部分をできるだけたくさん、何組もつくって、直す。これが比例を見るってこと。

上の例では輪郭線ですが、内部の骨格を想像して比べたりもします。左右の骨の長さが同じになってるかな、とか。

デッサンの狂いに気づく方法

慣れた画家でも一発で形が決まることはなかなかないと思います。であれば、狂わないデッサンを描くには、序盤の段階で如何にたくさん狂いを見つけて、直せるか、です。

デッサンの狂いに気づくには、その場を離れて遠くから絵を見るのが伝統的(!?)なやり方。一晩置く、とかもそう。その目的は自分の絵を一度客観的に見るためです。どうしても描いているうちに主観的になるというか、せっかくここまで描いたのに直すのめんどくさい、とかの感情が湧くので😥

僕の場合はどうしても迷ったとき、他の方法も使います。例えば鏡越しに見たり、スマホで写真に撮ったり。これも自分の絵を客観的に見るテクニック。

さいごに

描き出しの段階で大切なことがもう一つあります。それが動勢(ムーヴマン)です。ですがこれは話すと長くなりそうなんで次回にします。

とにかく今日説明したのは輪郭線レベルでの形の正確な捉え方。これをマスターするだけでも見違えるほど絵がうまくなるはず。

もっと細かく形を詰めるときは、描こうとしているものが立体であることを強く意識する必要があります。その辺は第三回の記事で。

以上、連載形式でうさぎデッサンの描き方を書いてみます。

このブログのコンセプトとして、いかにもアフィリエイトブログみたいな、よくありがちなタイトルをつけたくないのでお付き合いください(*^^*) 例えば、「【2019年版】誰でも簡単にデッサンが上達する必須テクニック10選」とか。かわいくないっ❗

というわけで、「うさぎさんを描きましょう。」ばいばいっ👋

この記事シリーズまとめです。
第一回形の単純化、比例
第二回動勢
第三回立体感、面取り、マッス
第四回毛並みの質感
第五回立ち耳うさぎさんの顔
第六回垂れ耳うさぎさんの顔
第七回体の各部の描写
第八回レッキス(飼いうさぎの一種)の描き方
第九回長毛種の描き方
第十回陰影のつけ方
第十一回模様の分類や描き方
第十二回ポーズと換毛による変化
第十三回瞳の描き方

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