こんばんは。今日は水彩画の表現の幅を広げてくれるマスキングインクを使ってみたよのレポートをします👍
この記事を最初に公開した時点で、マスキングインクを使うのは初めてでした。その時の使ってみたレポから、自分なりの工夫も織り交ぜてご紹介します✨
マスキングインクとは
水彩絵の具で描くときに紙の白を残して塗りたいときがあります。そんな時、マスキングテープで覆いをするのですが(←本来のマステの使い方)、細かく複雑な形のときはそれに合わせてテープを切るのが大変・大変💦
そこで、マスキングインクを使えば白く残したい形を自由に描けます。後で剥がすとキレイに白抜きができます✨
水彩絵の具は、ある程度であれば、乾いた後でも水をかけて拭き取ることができます。マスキングインクは完全に紙の白を残したいときに使います。
特に、透明水彩絵具では暗い背景の上から明るい色を塗れないので、そんな時に活躍します✨
それでは、実際に使った感じをレビューしてみましょう!
ホルベイン マスキングインク(瓶入り)のレビュー
初めてだったので、まずはオーソドックスなホルベイン製を。
このように瓶入りタイプのものと、細い線が描けるペンタイプがあります。今回、少し大きな絵で使うので瓶タイプで。
先日完成したこちらの絵で使用しました。
構図が決まり、最初にマスキングした状態がこちら。
国民的猫型ロボットに見えるけど違います🙂
うさちゃんの輪郭回りと、木洩れ日部分に塗ってます。あとで前景の枝や、樹木のハイライトにも使用しました。
「塗る」というよりも「置く」に近い塗り方をします。途中でどこかにインクを垂らしてしまっても、慌てないで完全に乾いてから剥がせばきれいに取れますよ💡
このマスキングインクは強い光沢があるので塗った箇所がわかりやすいです。
乾くと半透明になります。また塗った場所の手触りに適度な摩擦感があり、剥がしやすくなっています。
背景を大体塗って、約一週間後に剥がしました。
剥がすときは親指の腹で最初だけ剥がしてきっかけを作り、ピンセットでつまんでゆっくり剥がしました。ゴム状なので途切れずに剥がせます👍
なんとなく個人的には、画面に垂直方向に剥がすよりも、できるだけ寝かせて剥がした方が紙が傷みにくい気がしてます。効果は不明😃
完全に紙を傷めずに剥がすのは難しいです。特に細い部分のマスキングは紙の一部も一緒に剥がれちゃうんですよね😥 表面強度が強い水彩紙がいいです。ウォーターフォードなんかおススメ🍀
強度がある紙を使えば、例えば一度色を塗って乾いた後の画用紙にマスキングを施す、なんて応用技も使えます✨
あと、マスキングした場所は白過ぎるので後処理も大事。
マスキングだけあって、完全に紙の白が残ります。そのままではちょっと浮いているので、うさちゃんの輪郭部分は青白い反射光を塗ったり、部分的に背景色と混ぜたりして馴染ませてます。
他にもこんな使い方もできます💡
補足:インク飛ばし・空(から)マスキング
歯ブラシにマスキングインクをつけて、弾いて飛ばしてみました。こんな感じになります✨
次は空マスキング。マスキングを剥がすと少しだけ絵の具も一緒に剥がれます。それを利用したテクニック。
先に絵の具を塗ってから
マスキングをして
絵の具を塗り重ねずに剥がします。
マスキングした部分が薄くなります。紙を濡らしてティッシュで取る方法よりも、くっきりシャープなエッジが出ます。参考にしてみてください。
マスキングインクを剥がすと紙の表面も一緒に剥がれてしまう。そんな時は、より粘着力が低いマスキングインクを試してみるといいかもしれません。W&N製は紙に優しいです。
マスキングは計画的に。
マスキングインクを使うときに覚えておきたい注意点です。
白いところは後から濃く塗れるからマスキングの形は正確でなくてもよいと思っていましたが違いました。
透明水彩絵の具なので、白抜きした輪郭を整えようとして濃い絵の具を重ねても、最初の白抜きの輪郭が残ってしまうんです。
写真で見るとわかりやすいです💡
葉っぱの形を白抜きしようとして🍃
マスキングがはみ出してしまいました。
まぁこうなりますよね…。
これを修正しようと、同じ色の絵の具で塗ってみます。
重ね塗りになった部分が濃くなりました。これが透明水彩!😭
葉っぱの上のラインも、マスキングの線を修正しようとしてかえって目立ってます。
こんなことになっちゃうので、マスキングの時点で計画的にやりましょう✅
マスキングの意義
使い始めの頃はマスキングなんてしなくてもいい場所に使っちゃったり、いろいろドジしましたが、使っていくうちに自分なりの使いどころがわかってきました。
というわけで現在、僕なりに考えるマスキングの使いどころについて書いてみます。
例えばこちらの絵↓
木の幹にかかる雪の部分をマスキングしてから空を描きました。
理由は二つ。
- 雪が空よりも明るい色だから
- 空を描くとき、刷毛を大きく動かして塗りたかったから
絵は筆跡の方向感が結構大事だったりします。今回のように空を塗る際、白抜きしたいところを避けて筆を動かすと、その跡が不自然になりがち。前景にとらわれず背景を塗りたいわけです。
マスキングすることで、例えば下図のように、青色の濃い部分が手前の木をまたがって横に広がっているように塗れるのです。
デジタル絵ならレイヤー分けすれば一発で解決しますよね。マスキングは、アナログ絵でも筆勢を保ったまま細かい塗り残しをやるためのテクニックです👍
つまり
大胆な筆遣いで描きたいけど細かい塗り残しもしたい。そんな時、二つとも両立できる技法。
これが僕が考えるマスキングの必要性です。
さて次はめんどくさーーーーーーーい後片付けのお話(笑)
筆で塗ったときの後片付け問題…
マスキングインクを筆で塗ると、当然ながら筆が固まってしまいます。こまめに、塗ったらすぐに水に漬けていましたがそれでもインクがこびりついてしまいました…。
固まったインクを引っ張って剥がしたとき、多少は筆の毛も抜けてしまうんです。一応、そんな時のためにマスキングインククリーナーなるものがあります。
ブロガーならここでマスキングインククリーナーを紹介して広告貼るのが王道❗
ですが僕はケチなので(笑)
わざわざそれを買わなくても良い方法はないだろうか…、と考えました💡
これを使います!
なぜ鉛筆と一緒に撮ったのか意味が分かりません。
油絵画家がよく使う道具で、水彩画家には馴染みがないですが、これが役に立ちます!
先ほど説明した通りマスキングインクは「塗る」よりも「置く」に近い乗せ方なので、ナイフが便利。
マスキングインクは油絵具より粘度が低いため、液だれ注意ですね。最初はコツがいりますがすぐに慣れます。
もちろんナイフに付いたインクを剥がすときはきれいにツルンと取れます✨
こうやってぺたっと置いても先端が浮いてくれて机が汚れないのがありがたい。
「へり」の部分を使って塗れば細い線もいけます。先端を尖らせたら更に使いやすくなりました。
これを思いつく前、金属製のペンで塗る方法でやっていました。
ですが、尖った金属製のペンを使うと紙に傷が付き、マスキングインクが食いついて剥がれにくくなってしまいます。かなり筆圧が必要なのでGペン側の耐久性も心配。
ガラスペンを使う方法も考えたのですが、ちゃんとしたやつはそれなりに高価です💴
そこでプラスチック製ペインティングナイフが役に立ちます👍 ドヤ!もうノリノリ💃
マスキングインククリーナーは500円以上しますがプラスチックのペインティングナイフは150円でした。
たぶん使っていくうちに剥がれにくくなってきますが、研磨剤で研げば復活すると思われます。しなくても安いので!
今回使用したホルベインのマスキングインク。なんというか、表面張力が強い感じで、ボタッと垂らすと盛り上がってしまうんですよね。
インク瓶にナイフをひたして、画用紙に描くときの第一筆は予想外の流量にびっくりします。それで線が太くなってしまうと失敗❌
なので、第一筆で広い面を描いて、細い部分はインクを引き延ばすようにして描きましょう。
ペインティングナイフを使う方法の欠点です。これが嫌なら筆を使うしかないですね😥
ちなみにプラスチック製ペインティングナイフはブロック水彩紙をはがすときも役に立ちますよ。紙を傷めず、やりやすいです。もはや水彩画家必携⁉
おわりに
マスキングインクのレビューと、おすすめの画材を紹介しました。この記事を参考に皆様のお絵かきライフが豊かになることを祈ってます!
それではまた次回の記事でお会いしましょう。最後までありがとうございました💕
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