素材・技法・道具

ティムの木彫道具その2

※刃物の画像があります。⚠

ティムです。今日は木彫り道具の紹介第二回です!

小さな作品を彫るのに適した木彫り道具について

前回は荒彫り、中彫りに使うのみと木槌のご紹介でした。

この時紹介した道具で、大まかな形は何でも彫れます。ですが…、

小道具がないと仕上げができません!

うさぎさんの目鼻や耳の間など、狭い部分を彫って完成度を高めるには、小回りが利く道具が必要になります。

等身大の人物のような大きな作品を作る時はほとんど出番がない小道具。小動物サイズを彫るときは欠かせない戦力です!

そこで今回は細かい道具について、詳しく書いてみます🙋‍♂️

ついでに刃物を研ぐ砥石もご紹介するよ✨

切出刀

まず、この道具だけで一記事書いてもいいくらい大切にしている切出刀です!

切出刀
切出刀

なんか「押収品」感がすごい画像🤣

学生時代に東京、上野の老舗で購入しました。この刀は僕の命です❗

よく切れて刃こぼれも少なく、地金が強い。

とっても頼りになる相棒です。木彫りは道具を傷めない彫り方を考えながらやらないといけないのですが、この道具だけはちょっと無理なお願いも聞いてくれます。日本刀と同じで、先端はよく切れ、根本は腰があって強いです。

シーンによって使い分けできるので、昔この一本だけで彫った作品があります。文字通り一刀彫り❗

このように柄が一体となっているタイプの切出し刀は汎用性が高いので一本持っておきましょう。最初からたくさん道具をそろえるのは難しいですし、初めは自分に何が合っているかもわからないですから。

ただし、道具が一式揃ってくるにつれて使用頻度が減りました。切出刀は力が入りにくく、刃の部分が大きいことによりうっかり指をケガしやすいなどの理由です。いまは、ここぞ!というときのお守り💝

彫刻刀

続きまして、主力の彫刻刀たちです!💪

主力の彫刻刀3本

レギュラー小道具
レギュラー小道具

奥から、両刃刀、片刃刀、先曲がり刀です。

実は、「彫刻家は彫刻刀を使わない、彫刻刀は木版画家の道具」と言われます。それは公募展のように大作を出品しなければいけない人のお話。小さな木彫りうさぎを作っている僕は普通に使っています。

特に両刃の便利さに目覚めたときは革命がおこりました🌏

ぷいはほとんどこの道具でできています。

ぷい誕生!
ぷい

両刃刀は中彫り以降に細かい面を立てる時に便利。刃を直進させて両脇を切り分けるように削れるから。

先曲がりは、下から上にすくい上げるように彫るとき便利です。

ちなみに、彫刻刀は研いでいるうちにだんだん刃が短くなっていきます。短くなり過ぎたら鉛筆のように柄の部分を切り落とせば、中にたくさん刃の部分が埋まってるので長く使えますよ。

柄から刃を切り出して使っています。

僕がいつもお世話になっているお店のやつは、刃裏に刻印が打ってあります。刻印が見えてくるまでは使えるそうです👍

準レギュラー彫刻刀

その次によく使う道具群がこちら⬇

準レギュラー
準レギュラー

カマクラ刀と穂が長い深丸刀。カマクラ刀は浅いカーブがついた彫刻刀です。なぜかカタカナが定着してる。先が長い道具は奥に届くのでこういうのも使います。

特にカマクラ刀は丸のみの小道具バージョンのような感覚で使えるので重宝してます。研ぎたてはいつも感動する優秀な子。

下は木彫りうさぎのコップちゃんの背中。カマクラ刀で彫った跡をそのまま残して仕上げてます。

コップちゃんの背中
コップちゃんの背中

長い丸刀はあまり出番がないですが、特定のシーンで大活躍します!ほかの道具ではどうにも彫れないときにこの子が活躍してくれると、持ち主としてなんか嬉しいです😊

細密彫り道具

そして、さらに細かい道具。

一番小さい刀
一番小さい刀

よーーく見ると、上が片刃刀、下が両刃刀。

ぷいちゃんの耳の間はこれらの道具なしには彫れませんでした。あと、口や鼻のY字部分とか。

終盤
ぷいちゃんの制作過程

ルッツくんの目や口はこの道具で息を詰まらせながら彫りました🙂

ルッツくん
ルッツくん

追記:新しく買いました。

実はこれらの道具、細すぎて折ってしまいました😥

繊細な道具なので、無理に力をかけて使うと壊れちゃいます。

今はそれより少し太めのやつを買って使っています。幅は五厘(≒1.5mm)です。

新しい小道具

昔ながらの道具って、尺貫法だったりするんですよね📏

この新しい小刀は職人さんの手作りです。しっかり地金が鍛えてあり、丈夫です💪

もっとも、ホームセンターで売ってるやつは確かに壊れやすいものの、価格が安い分気兼ねなく使えます。

僕は指で好きな方向に曲げて彫りやすくして使っていたことがあります。

彫刻刀の使い分け

こんなにいろいろあって何に使うの?と思いますよね。理由は主に4つ💡

  1. 木を傷めないで彫るため
  2. ケガしないように彫るため
  3. 彫る量の調整のため
  4. 欲しい彫り跡を出すため

1は木ならではの理由ですね。木には目の方向があるためそれに逆らわないように彫らなければいけません。また、大きな道具は大きな力が木にかかるため、小さい道具で優しく彫らないと木肌が荒れてしまうことがあります。

2は、合わない道具で無理な姿勢で彫ると指を切ってしまうリスクが高まるということです。先曲がり刀を使えば楽に彫れるのに他の道具で力を込めて彫ると勢い余ってザクっと切っちゃうかもしれません😱

木彫りでは、ケガは勲章ではないです。

3は、シンプルに、大きな道具ほど一度にたくさん彫れるということ。同じ丸刀でも浅丸より深丸の方が多く彫れる😋

4は丸刀の彫り跡と平刀の彫り跡、どちらが作品に適してるか、そんなことを考えながら制作するということ。

特に1番と2番の理由が大事。僕の経験則では、小さい作品を彫るときほど意識して頻繁に道具を持ち換えなきゃだめみたい。

やすり

そして、やすりも大切な道具。

やすり

一番上の大型やすりは学生時代に使っていたものですが今でも全く同じ形のやつがホームセンターに売ってます。あの頃からみんな使ってたもん。評判通りのパワーと耐久性👏。

下の二つはダイヤモンドやすり。一般に木工にはあまり使わないですが、ルッツくんの顔の皺や、ぴょこちゃんの蓋にはまる部分など、精密な造形に使います。

ぴょこちゃん
ぴょこちゃん

砥石

刃物は自分で研ぐのですがその時の砥石も大事💗

仕上砥石

これは仕上砥石です。目の粗い砥石からだんだん細かいのに替えて研いでいき、最後に使います。仕上砥石だけは天然物がいいとの情報なので、昔奮発して買ったんですよ。

東京では有名な飲食店向け用品の商店街、合羽橋道具街で買いました🛒。なんと砥石専門のお店があるんです。お店の人の話では、天然ものじゃないと「かえり」が取れないそうです。「かえり」とは刃物を研いでいるときに刃先が反対側に反りかえってくるやつです。

これは包丁も研げる大きな砥石ですが、小さい作品に使う道具の手入れには、もっと小さい砥石で十分です。

僕も地元のスーパーで包丁研ぎサービスやろうかな(笑)

以上、僕の彫刻道具小道具編でした❗

いい道具とは

良い道具を使ったとき、持ち主の腕前以上の力が出るわけではないのですが、いい道具ほど、その人が本来持っている実力を忠実に引き出すと考えています。実体験では彫刻道具と、カメラ📷がそうです。僕は音楽家ではないですがたぶん楽器🎻もそう。伝説の剣🗡とかもそんな気がする。

若い頃にバイク、写真、将棋、登山と多趣味だった父の教えです。「道具は最初からいいものを使いなさい。初心者だからといって遠慮することはない。」と。うん。間違いないです。

と、いうことで二回にわたってお届けしてきたティムの木彫り道具のご紹介、完結いたしました。それでは次回記事でお会いしましょう。ばいばーい👋

木彫りうさぎ・絵画制作承ります。


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