梅雨明けがうれしいティムです🌞。今日は連載していたデッサンの描き方についてです。
前回記事は動勢のお話でした。
第一回、第二回で話したエクセル絵や比例、動勢の知識で、平面的な絵なら難なく描けます。
ですがもう一歩、うさちゃんが本当に絵の中に存在しているような、まさにリアルな絵にするには、今日のお話は必ず覚えておいてほしいことなんです。
今日はデッサンの骨格をなす大切な要素、マッスと面取り、立体感の話をします。
マッスとは
言葉でいうと、大きなひとかたまりの立体感、という感じです。
例えば人の顔を描くとき。ザックリと見たときに縦に少し引き延ばした球体のような頭の塊があって、その上に目鼻などの細かいパーツが乗っかっている(というか、がっちり埋め込まれてる)、と意識して描く必要があります。その頭全体のかたまり感がマッスです。
わかりやすくするために、あえてマッスを無視して人の顔を描きました。
このように描くと平面上に目、鼻、口、頬骨などのパーツが分離して、上に乗ったように見えるんです。
現実には頭は球体。かつ、部分と全体が境目なく一体となって繋がってます。シームレス!📱
形を単純化して見たときに、まず先にひとつのボリューム感、一体感が感じられる、というのが絵に出ていると迫真的になります。
二色刷りのように陰を一色で描いても立体感ある絵は描けます。それとも少し違うんです。
こう、まるっと、ごろっと。手でつかめる感じ…。説明が難しいですね。三次元の立体を描く、という意識のお話です。
というか、マッス、マッスと言ってると脳内をマスオさんが横切っていきます。「いやぁ、○○だなぁ⤴」とか、「えぇーっ😨」とか聞こえてきます。
波平「やあ、同じ電車だったか。どうだね、一杯?」
マスオ「いいですねぇ」
このくだり鉄板だよね⁉
この、マッスのあるデッサンを描くには対象を面で見る必要があります。そのためデッサンの初期段階で面取りということをやります。
面取りとは
立方体をイメージしてみてください。💭
正面があって、左右に側面があって、上下の面があって、真裏に背面がある。ぐるっと面で一周囲んで立体です。
どんな立体でもそうなっています。どっちが正面かってのは主観ですが、それでもどこかを正面と決めたら相対的に他の面が決まります。
一つの例で、円柱を描くとしましょう。
上面は明らかなので置いとくとして、問題は側面のほう。側面が均等なカーブですよね。
で、こう描きたくなります。右から均等にぼかした感じ。
何でしょうね。人前で基本図形を描くと緊張する心理😅
まあ、なんというか、実際そう見えますって。でもその通り描くといまいち立体感がない…。
そこで、言い方アレなんですが、初めはウソでもいいからカクカクの面取りをして描きます。こう。
そうなっているから描く、というよりも、そうなっているものとして見る、という感じで。
なぜこう描かなければならないのでしょう?
半月をイメージしてみてください。月はもちろん球体です。
一方からもう一方へ均等にグラデーションになってますか?半分のところを境にガラッと光と陰が切り替わりますよね?🌓
これは後述する稜線と関係が深いのですが、まっすぐ進む光は形の変わり目で陰を作ります。複数の光源があったり、形が立体的に切り替わるものを描くときは、そうした形の変わり目の陰が「面」として現れるんです。だからそれをとらえて描く必要があるのです。
具体的な描き方は下図の通り。丸を描くとき、線的に見ると輪郭を丸く囲むだけですが、面的に見るとベタっと塗りつぶした丸ができる。
その面的なタッチを組み合わせて立体を作るんです。
稜線を見逃さない!
💡特に、形の切り変わり目は超重要です❗
面と面がぶつかっているところ。立体としては「稜線(りょうせん)」といいます。下の絵の場合、赤で囲った肩(上腕のほう)の切り替えや、喉の明暗の境がわかりやすいです。
さっきの円柱の話のように、光の性質によって稜線は陰影の境目になります。男性の腕とか、筋肉に沿って稜線が走ってるでしょ?
鎖骨の先、三角筋の下面、上腕二頭筋の下面があるため、その部分で稜線が左側に張りだしてカーブしています。
さて。面にも大小があります。大きな面の中に小さい面が入れ子状になって入っているので、大きな面を分割してだんだん細かさのレベルを上げていくんです。イメージ的には、描き進めるにしたがって正八面体を細かく分割して正十二面体にして、さらに細かくして球体を作る感じ。
そこで大事になるのが次のお話。💝
細部も立体だということ
細部にとらわれずに全体を見ましょう!ってことはめっちゃ大事です。うん。それはわかる。
でも誤解しないで!最初に「全体」なるものを作って、その後に「細部」なるものを作るんじゃないってことを。
描き始めに全体を描くときにも細部のこと考えてるし、細部を描きながら全体観を調整してることはふつーーにあります。
頭の面取りが終わったら次に目を描く段階になって、そしたら前段階のことは忘れていいってことにはならない!という落とし穴🕳
これ社会人になって仕事の進め方でも同じだと痛感した。細部と全体の境界なんて、本当は無い。
今いいこと言ったべ😁
(←そういうところだぞ)
では、せっかくうさぎブログ🐇なので、うさちゃんを描いて説明しようかな。
最初に頭の面取りをやった後には、目が大きな面(眉から頬に切り立った側面)の中にあります。
描き込みを進めて目の細部を描くときも、この大きな面から形がはみ出すことはありません。先端の突出部は別として、目の本体はあくまでも面の中。
そしてそして。目が球体である、ということの意識はつまり、こういうことでもあります。
この角度から見ると目尻が見えない。
このうさちゃんを上から見たとしたらこうなるはず。
目尻の部分は目の球面のピークの向こう側にあるから、隠れています。うっかり目尻を描くと空間が歪んで開いたみたくなる。
こんなことが目だけではなく鼻でも口でも指でもしっぽでも、あらゆるところにあるわけです。
この話はマッスや面取りとはちょっと違うような話ですが、対象を立体として見る、という大切な考え方の一部だと思ってこの記事に書きました。
今日の記事は長くなりましたね。書きながら僕にとっても勉強になってる気がします。次に質感の話でしょうか。それからうさぎ全般に言える特徴の話、品種差、個体差の話にも掘り下げていきたいなー。明暗のトーンの話、構図の話については専門家に譲ろうと思います。今のところ。この二つは画家や写真家の方が詳しそうですね。
この連載まだまだ続きます!需要は…あるのかな?
それでは、また次の記事でお会いしましょう。ばいばーい!💨
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