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うさぎさんの模様を描きましょう。(連載その11)

こんばんは。今月もうさぎデッサン連載をお届けいたします💌今回は毛色の模様の描き方です。

デッサンでうさぎさんの模様をどうやって描くか

うさちゃんの毛の模様は個性豊かで、とても変化に富んでいます。ずっと見ていられるような、複雑なパターンなので、いざ絵に描こうとするとなかなか思うように描けません。

デッサンはモデルさんを前によく観察して描くもの。そういう意味では、うさちゃんの模様についての知識は不要です。実際見て描けばいいのですから😃

ただ今回の記事では、何も見ずにリアルな模様を描けるようになることを目標にしてみましょう。

本題の前に、デリケートな話題なので最初にお断りさせてくださいね。

それは、この記事ではうさちゃんの模様について優劣を語っているわけではないということ。純血も雑種も関係なく、うさぎさんはかわいいし、飼い主様にとってはかけがえのない家族です。それはもちろん、尊重しています。ラビットショーでも、なにも命の格付けをやってるわけではなく重々承知のうえでやってるわけですから。それはそれ、これはこれ、ね😉

但し書き失礼しました。では、いってみましょう!

うさぎさんの模様をざっくり分類

うさちゃんは、だいたい1色~3色くらいの基本色で覆われてます。これにおなかの白や茶色が加わることもあります。
今回は2色以上の基本色を持つうさちゃんを取り上げます🐇

超ザックリ分類すると、うさちゃんの模様パターンは以下の4種(僕の独自分類法で、ブリーディング・遺伝学とは別の、画家目線です)。

うさちゃんの模様、基本の四種類
  • ダッチ系
  • ブロークン系
  • オター系
  • セーブル系

順に詳しく見ていこう!

ダッチ系

一番の特徴は、鼻先から額にかけての三角形の白い模様。目の周りや耳が濃色になります。
こちらは以前描いた純血種のダッチです。

ダッチうさちゃん

胸部や前足も白く、脇腹のあたりではっきりと濃色に切り替わりますが、後足の先だけ白くなる。
この子は純血ですが、ほかにもダッチの模様に似た子がたくさんいます。

例えばこちらのうさちゃんは、上半身と下半身の境が複雑に絡み合った模様になってます。

うさぎデッサン

絵画技法的には、ザクザクと間隔をあけたタッチで毛色の切り替わりを表現します。短毛種の時はベタ塗で丸く描きます🎨

毛色の変わり目拡大
毛色の変わり目拡大

下の絵の両サイドの2ぴょんもダッチ系ですね。

うさぎデッサン

顔に三角模様があって、上半身は白く、下半身は濃色になる傾向があるうさちゃんを、ここではダッチ系にまとめました。

大久野島のうさちゃん達のように、野生・半野生のうさちゃんにはダッチ系が多い気がします。

続いては…

ブロークン系

おそらく、飼いうさぎの中では最もメジャーなうさちゃんがこのブロークン系ではないでしょうか。
白を地色にして、濃色のぶち模様があるうさちゃんです✨

ブロークンロップ

濃色のカラーがブラックだと、牛柄のうさちゃんになるよ🎵

牛柄うさちゃん

ジャージーウーリーのこの子のような長毛ちゃんも。

うさぎデッサン

短毛のレッキスちゃんも。

うさぎデッサン

僕は目の周りだけ黒いホト種のうさちゃんも模様が少ないブロークン系として分類しています。なぜかというと両者の中間段階がたくさんあるから。

ブロークン模様は絵描きとしては複雑で手を焼きます。想像でそれっぽく描いたつもりでもリアルに見えないんです。僕も長らく苦労しました。苦労しながらたくさんのうさちゃんを描く中で、なんとなく法則性が見えてきました✨

ブロークンの垂れ耳うさぎの基本的な描き方

スタンダードなブロークンロップちゃんのお顔はこんな感じ。

まず、鼻の上と鼻の両脇にかけて模様ができます。
そして、左右の目の周りにもそれぞれ模様ができます。

この3つのエリアが大きくなって繋がったり、逆に小さくなったり、なくなったりして、ブロークンの基本模様ができます。
最後に、各エリア境目付近に小さなランダム模様ができます。三日月状の形になります🌙

三つの基本エリアの配置がどうなってるかを見て描くとブロークンらしさが出ますよ!

また、頭トップのふわふわした毛(クラウン)と、耳は濃色のベタ塗りになることが多いです。たまに、耳がごま塩模様になることも🏁

ちなみに海外のサイトでは鼻の両脇の模様をバタフライと呼ぶみたい🦋
両脇にできた模様はフルバタフライ、片方のみのときはハーフバタフライ、と言ってるように見えます。僕の英語力だと確信持てませんが(笑)。

特に鼻の周りだけ模様がある子をチャーリーと呼びます。絵描き目線では同じ仲間としてまとめました。

ブロークン模様は背中にも表れます。丸い斑点が集まったように見えるのをスポッテッドパターン、もみの木のように八の字型に、模様が広がるのをブランケットパターン、というらしいのですが、僕はあまり気にしません😋
さっきお話したように短毛種のぶち模様は丸みを帯びている、ということと、模様の大きさの違いじゃないかと思ってます。

オター系

全身の基本色が濃色で、目の周りや鼻のY字周りが淡色になり、下あごのラインが淡色になるうさちゃんをオター系に分類しました。マーチンと名の付くカラーもこの系統ですね。ちなみにオターは「かわうそ」という意味です📌

この子がスタンダードなブラックオターちゃんです。

お座りうさちゃん

この子もオター系。

オターうさちゃん

胸周りの毛色は基本的に濃色なのですが、部分的に淡色の毛が生えます。模様というより、一本だけ周囲の色と異なる白い毛が生えたような感じ。

デッサンとしては、さすがに毛の一本一本レベルで描き分けるのが不可能なので荒目のタッチや視覚混合技法を使います。
視覚混合については過去の記事に詳しいから参考にしてみてね(公開時よりも内容が増強されてます💪)。

セーブル系

最後のグループです。鼻先や目の上が全体的に濃色で、耳や前足の先も濃色になる傾向があるうさちゃん達です。

セーブルポイント、サイアミーズスモークパール、フロスティなどをこちらに分類しました。独立した品種でもあるヒマラヤンも、似た傾向の模様としてここに含めてます。

セーブルポイント
ルビーアイ
ヒマラヤン

長毛種ではお顔の先が濃くなるうさちゃんをよく見かけますよ。

セーブル系長毛ちゃん

下の絵は以前描いた立ち耳ちゃん。お顔の先や耳の色が濃いですね。

うさぎデッサン

こちらは垂れ耳フロスティちゃん。

うさぎデッサン

セーブル系のうさちゃんの鼻先は、はっきりした境界がなくグラデーションになってることが多いです。ぼかしながら描いていきましょう。

模様の大きさレベル

MIX(雑種)のうさちゃんの場合には模様の個体差が大きくなります。ですが、無地から少しずつ模様が増えていく段階のどこかにいるかなーって思ってます。

まずはこれを見て。

模様レベル(顔)

左から順に徐々に模様が増えていきます。一番左はホトに近い感じ。全体が白で、目の周りだけ色が付きます。
そして、なぜか目の下後方にぽちっと小さく模様が出ることが多いです。不思議ですね。

だんだん色が増えていくと、耳や鼻にも模様がついてきます。模様が大きくなってくると互いにつながったりします。一番右では目の模様と目の下の模様がくっつきました。レッキスちゃんでよく見る😃

背中も同様に見てみると、、、

模様レベル(背中)
模様レベル(背中)

背中の真ん中に一筋、「i」の字や「!」字型の模様ができます。だんだん増えていくと左右にポコッと張り出してきて、最終的にブランケットパターンのようなブロークン模様になります!おしりのわきの方に小さくスポット模様が入ることもあるあるですね。

背中模様の作例です。

背中のライン
背中のライン

色々なバリエーション

いくつか作例をご紹介しながらみていきましょう。
まずはこの子🐇

うさぎデッサン

胸部が白いので、ダッチ系のように見えます。ですが、オターのような目の周り・下あごの白があり、決まった型に収まらないですね!さすがうさぎさんです!

うさぎデッサン

上の写真、右はオターちゃん、左は模様が薄めのオレンジうさちゃんです。淡い色でもよーーく観察すると変化が見つかります。目の周りと鼻の頭は他と色が違うことが多いです。

うさぎデッサン

上の写真のうさちゃんは、ブロークンスモークパールマーティンっていうんですって✨

パールだから毛の一本一本が微妙に違うのです😍(描き表せてない!)もっと時間をかけて描き込みして、練りゴムでシュッと強く引くとその質感が出るかも!

うさぎデッサン

上の絵のうさちゃんは真っ黒の毛と茶色の毛と明るいグレーの毛が混ざり合っています。換毛中のようでもあり、とても複雑な色と質感でした。

この絵では、黒を真っ黒にして、他の毛色については色の描き分けよりも立体感と質感の描き分けを優先しました。おなかの方の鉛筆の強いタッチと、太ももの方のぼかした感じ。

そして、腹側(体の下面)に模様ができる珍しいうさちゃん。

うたっちレッキスちゃん

一般的に、うさぎさんの腹側には模様が無く、白か基本色の単一色が多いです。うさちゃんの模様は背側に出ます。

ところが、腹側にこのような模様ができる子がいるのです!

上の絵のようにレッキス種に多いです。ほかにもMIXのうさちゃんに見られます。

うさぎデッサン

上の2ぴょんは何も見ずに想像で描きました。たくさんのうさちゃんを観察しまくってると、だんだん描けるようになりますよ!

額に白い縦筋模様が入るうさちゃん、多いですね。ダッチ系のバリエーションかもしれません。胸部が白くて下半身の色が濃くなる、おパンツちゃんです🩲

このおパンツも股上深めの子もいれば浅く履きこなしてる(!)子もいて、ほんと人間のファッションみたい✨

その下に描いたのは鼻だけ白い黒ロップちゃん。黒うさぎさんは額にV字型の毛のつやが出るんですよ。

ハレクイン

うさぎデッサン

ちょっとわかりにくいけど、こちらのツーショットで奥にいるうさちゃんは顔の半分で色が変わってます。ハレクインという模様です🌗

なおハレクインはうさぎの品種名ですが、その品種のような模様のことを指すこともあるそうで、意見が分かれてるみたい(ソース:『うさぎと暮らす』2020年春号)。

アグーチカラーのうさぎさん

アグーチといって、一本の毛に3色以上のカラーをもっている子もいます。グレー系やチェスナットの色ですね。絵に描くのはとても難しいですが、先ほどご紹介した視覚混合で再現します。

まとめ

今回は模様に焦点を当てて書いてみました。模様は4種類の基本形と、その変化を観察しましょう、というお話でした。模様に説得力が出ると一気にリアルに見えてくるのが不思議。

今日の記事を読んでみんなも楽しく、うさぎさんを描きましょう。それでは、またねー👋

この記事シリーズまとめです。
第一回形の単純化、比例
第二回動勢
第三回立体感、面取り、マッス
第四回毛並みの質感
第五回立ち耳うさぎさんの顔
第六回垂れ耳うさぎさんの顔
第七回体の各部の描写
第八回レッキス(飼いうさぎの一種)の描き方
第九回長毛種の描き方
第十回陰影のつけ方
第十一回模様の分類や描き方
第十二回ポーズと換毛による変化
第十三回瞳の描き方
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