素材・技法・道具

うさぎさんを描きましょうその10(陰影の回)

こんばんは。恒例の連載、今回は陰影の描き方です!

鉛筆を使った立体感のある陰影のつけ方を特集しました。

この連載、今回で10回目を迎えることができました🎊ありがとうございます✨

第十回にふさわしいテーマを考えていたのですが、読者の皆様からのリクエストで陰影の描き方をまとめてみることにしました。

前回予定していた、模様の付け方はこの次に書く予定です。それでは、いってみましょう💨

光と立体の特徴を知ろう!

最初は立体として物を見るお話です。

絵に陰影をつけるとき、「まず一番明るいところを探して、次に明るいところを探して、順々に見ていって一番暗いところを見つける」という見かたを僕は…

しません!


描き進んでから明るさの違いを比べることはありますが、最初からそのことは考えないんです。

そのやり方で絵は描けるはずですが、右足出して左足出せば歩ける、みたいな説明になっちゃう!

ではどうするか?

物に陰ができるのはそれが三次元の立体だから。なので、陰をつけるためには、描くものが立体だということを理解しなきゃいけないんです。
そこで大事になるのがトーンの流れをつかみ、面として形をとらえること。

面とトーン

例えばこちらの絵の場合👇

背中のトップは明るいですが、体の側面を境に陰に切り替わります。

下図の濃い赤線が形の変わり目(稜線)で、その下が陰になる。

こっちの場合も

画面右側のラインが正面と側面の境目。

分かりやすくするためにツートーンで説明しましたが、2分割→3分割→4分割と増やしていって立体にします。それが面取り。

まっすぐ進む光が被写体に当たって反射してきて、僕たちの目に届きます。このとき、被写体の面の向きが反射してくる光の強さとして現れます。

つまり…

陰を追うのではなく、立体の面の変化を追って描けば陰影を描いたことになる💡

↓こちらは面取りのタッチを残して描いたバージョン。

光の性質

さっきのお話を模式的な図で説明してみます。あくまでも理論的な話ね?

丸くなってるうさぎさんのシルエットを単純化して描きました🐇

餅です(笑)

二つの球体が重なってて、床の上にいるとします。光源は一つで、上からきてるとしましょう。

光が進む方向と垂直の面が一番明るくなります。なので球体のトップが一番明るいです。赤道が一番暑い、みたいな。

そこから周辺に行くにしたがってだんだん暗くなります。ですが最も暗くなるのは球の半分まで行ったところ。そこから下は全部陰だから、明るさが一定になります。

半月をイメージしてください。🌓

真ん中を境に光と影がきっぱり切り替わるでしょ?光は直進するので、陰になったところは真っ暗のままなんです。

なので、この図でいう球体の半分まで行ったところが形の変わり目、稜線だ、というわけ。

光の照り返し

でも上図の場合はもうちょっと複雑。球体が床の上にあるから、床に当たった光が反射して球体の下の方を照らします。

この、照り返しが描けると絵で空間を表現できます。

例えばこの絵の場合は口元が明るくなってますね。ちょっとオーバーですが(笑)

とまあ、理論的な話です。実際は光源が複数だったりするのでもっと複雑です🤔

一旦ここまでの話をまとめると、

光は直進する。反射光も対象を照らす。

理論ばかりで疲れたっしょ❓

鉛筆持って、やってみよう❗

具体的にどうやって描くか(タッチと明暗)

鉛筆で描けるのは線です。ですが立体は面でできてるので、鉛筆のタッチで面を作ります。

こんなタッチを組み合わせて描きます。

鉛筆を立てたり寝かせたり、筆圧の強弱を使い分けると様々なタッチができます。絵描きが腱鞘炎になるのはこれをたくさんやるから😭

次に、鉛筆で出せる明暗の範囲も広げましょう。

鉛筆だけでこんなに範囲が出せます。ほとんどの人は3B以上の濃い鉛筆を使ったことがないと思います。極端な話、まったくの絵の初心者でも、鉛筆の種類を増やすだけで一気にデッサンがうまくなる気がします。

それくらい、自分が鉛筆で出せる明暗の幅を広げるのは大事です💝

慣れてきたら薄い色だけを使って描いたり濃い色だけで描いたりもできますが、それができる人もやろうと思えばフルの範囲で描けるはず。

作例はこちら。

全体的に柔らかい逆光の中なので、鉛筆を寝かせ気味で描きました。鼻のYは鉛筆を立ててクッキリ描いてます。耳の毛のふわふわも。

口先のω型とその奥の頬が形の変わり目。耳の外側と内側の境も形の変わり目。あご下のラインに沿って、下から光の照り返し✨

耳と顔の輪郭は特に形の向きが変わるので描き分けます(ここでは濃くしてます)。耳は色も黒いので、その助けも借りる気持ちで。

思っているよりも濃く描くことを意識すると、絵が変わります。上の絵では、うさちゃんにとって右の頬と耳の間、肩の方とかね。

鉛筆で大きく明暗差を出せるようにしておくと、白っぽいモデルさんを描くときにも助かります💪

床との境の影を思い切って濃く描くと、明るい色のうさちゃんでも立体感を出せます。

特に上の長毛ちゃんのように、全部に陰を入れなくても要所要所を効かせれば雰囲気出るんですよ🎵

ところで、光がさえぎられて床などに投影されている黒いのは「影」、光源との角度の違いで暗くなっている部分は「陰」です。

まとめると

  • 鉛筆のタッチで面を作ろう。
  • 明暗差の幅を広く出せるようにしよう。
  • 思い切って濃く描いてみよう。

ここまで書いて疲れました。いったん休憩🍵🍡

クリスマスぷいぷい
クリスマスぷいぷい

順光・逆光対策

斜めから光が当たってる状態を描くのが一番楽です😃

悪いこと言わないから有利な条件で練習しましょう🤣

ですが、困るのは真正面から全体に光が当たってるド順光と、反対のド逆光です。

順光の場合

まず順光から。月の例でいうと満月ですね🌕

さっき説明した形の変わり目が見にくいです。どの面も同じ明るさに見えて、描き分けようがない。絵描き的には結構苦しい局面です😣

順光の場合は、局所的に強い影ができることがよくあります。似たような明るさで面に沿って形を描いていって、局所的な影を見つけたら思い切って筆圧乗せて黒く描くとメリハリが効いて立体感が出ます。この例では首と頭の境目や、おなかの下など。

色の違いも順光の方がはっきり出るので、目を黒くしたり、とにかくアクセントを意識して描きましょう❗

逆光の場合

では逆光は?逆光は新月🌑

このうさちゃんの顔全体が逆光の中です。

逆光の中では明暗差が小さくなり、柔らかい印象になります。写真のテクニックでも女性や子どものポートレート撮影で逆光が好まれます📸

形が見にくいので、形よりも色や模様の違い、質感の表現の方を重視したくなるのは致し方ないことだろうと思います。ですがその時でも、形の方向と関係ない向きのタッチをつけない、ということは意識して描くといいです。

こちらは先日しっかり仕上げて完成させたデッサン。斜め後ろからの逆光気味です。

完成作品
完成作品

特に胸のところが同じ明るさなので苦しんでます(笑)。

毛並み感と、わずかな照り返し光と、向かって右側の陰を頼りに描き起こしています。

と、苦しい逆光の描写でも唯一ノリノリで楽しめる箇所があります。

それは、光り輝く輪郭線✨✨✨

そう、日食のように。これを描くとすごくドラマチックで素敵になりますよ。うさちゃんの毛先や、耳は光が透けて明るくなりますね。これは逆光の醍醐味だと思う。

まとめると、

  • 順光はメリハリを意識。逆光は形の変化を強めに意識。
  • 逆光は輪郭の光をうまくとらえよう。

さいごに(かたちの正確さも忘れずに)

以上、陰影のつけ方を説明してきました。うまく説明できたか心配ですが、絵を描くときの参考にしてくれると嬉しいです。

そして、絵を描くときに大事なことは陰影だけじゃないってことも伝えたいです。

特に、形を正確に描けてないと絵に説得力が出ません。極端に言えば、輪郭がびしっと決まってれば陰をあまり描かなくても絵として成り立っちゃいます。

これは、陰の描写を控えめに、色の違い、質感描写を前面に出して描いたやつです。

なので、本格的に絵の上達を考えている方は是非とも第一回の形の捉え方を復習してみてください💡

今日はここまでです。連載もう少し続きます。皆さんまた次回お会いしましょう🙋‍♂️

この記事シリーズまとめです。
第一回形の単純化、比例
第二回動勢
第三回立体感、面取り、マッス
第四回毛並みの質感
第五回立ち耳うさぎさんの顔
第六回垂れ耳うさぎさんの顔
第七回体の各部の描写
第八回レッキス(飼いうさぎの一種)の描き方
第九回長毛種の描き方
第十回陰影のつけ方
第十一回模様の分類や描き方
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