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うさぎさんの瞳を描きましょう。(連載13回)

ティムです。今回はうさぎさんの瞳の描き方にスポットを当てて解説してみるよ!

連載していたうさぎさんの描き方講座。下のリンクの第一回から数えて、全十二回でいったん完結しました。

今後は思いついた順に気分で更新していきます👍

今回のテーマは、うさぎさんのキラキラな瞳✨

うさちゃんの瞳は、まるで宝石のようにきれいですよね!今回は瞳を鉛筆デッサンで描く方法を中心にお話していきます。

もちろん、人物や他の動物の目の描き方としても参考になる内容になってます。

今回も、Twitterでモデル募集をして、たくさんのうさぎさんがモデルになってくれました。ありがとうございました✨

もっとも簡単なキラキラ瞳の描き方

まず最初に、小難しい話は抜きにして一番簡単な描き方をご紹介します🍀

輪郭を描いたら、一旦グレーで全体を塗りつぶします。少し濃いめに塗るのがポイント👍

そしたらハイライトを入れます。瞳の中央から斜め上のところをポチっと消してみましょう。

ここまでできたら、さっき入れたハイライトのすぐ近くの部分を、今までで一番強い筆圧で濃く描きます。

上まぶたの目尻側にまつ毛を描き、目の円周にそって縁の部分を濃いめに塗ります。

仕上げに瞳をグラデーションで塗って透明感を出してみます。下図のピンク色のようにグラデーションをかけました。

以上で完成✨

ね、簡単でしょ?

簡単ですが、実際僕も絵のスタイルや表現意図によってはこのくらいの描き込み感にして仕上げてしまうことがあります。実用的な描き方なんですよ。

では今日の記事はここまで…って、いやいや💦

本当の絵の描き方はここからですよ!

詳説!うさぎさんの瞳

ようこそ、ガチ絵の世界へ(笑) あなたも踏み入れてしまいましたね😁

さっき紹介した方法も、これから説明する知識のエッセンスが詰まってるからこそ説得力が出てくるんです。瞳の絵の描き方で悩んでる方はぜひぜひ読んでみてね!

僕の独自研究がかなり入ってます。参考になれば幸いです☕

うさぎさんの目の位置、付きかた

まず基本のキ。

草食動物に多い横向きの目。

よく言われているように、草食動物のうさぎさんは外敵を早く見つけられるように広い視野を確保するため、目が横向きについています。

つまりお顔を正面から見ると、目は横から見るような形になります。手前が目頭、奥が目尻、というように。

両目の視野が重なり合う部分が少ないので、距離感をつかむのは苦手。

視野について

で、その視野なんですがうさぎさんの視野はほぼ360°なんて言われます。

それって水平方向の話だと思うんです。ですが、鉛直方向は?

おそらく、うさぎさんには自分のほっぺの陰になってしまい、下はよく見えてないんじゃないかと思います。

人間より顔が長いこともあり、特に口元はあまり見えてないみたい。

その証拠に、うさちゃんにおやつを手渡ししようとすると「わーーーっ」と駆け寄ってきて…

近くまで来ると一瞬見失いますよね?

逆に上方向には敏感。うさちゃんにとって、自分より体が大きな獣や猛禽類など、多くの外敵は上から来ますものね。

飼育書に書いてある、「お迎えしてしばらくは撫でずにそっとしておいてあげて」というのも肯けます。巨大な人間の手が上から迫ってきたら、うさぎさんめっちゃ怖いはず😱

ハの字型か、V字型か

正面から見たときの目の角度は、表情や個性の差がよく出ると思っています。目の延長線を引いたとき、赤線のようにハの字型に見えるか、V字型に見えるかの違いです。

実際に目がこのように斜めについているかというよりも、見た目的な印象でどう見えるかの違いです。

目が奥まっている

目が周りよりも奥にあるため、陰に入ります。

そのような骨格なのではなく、目の周囲のボリュームの大半が毛なのです。

うさぎさんは毛がない状態だと目の部分が盛り上がっていますが、毛が生えている状態だと奥まって見えるんです。

これにより、周りの毛が手前に見えて、目が隠れて見えることが多いです。

目の各部について

目の各部分をもっと細かく見てみよう!

瞳孔と虹彩

二つの円が重なったような形。薄い色の虹彩の中に、濃い色の瞳孔があります。

光の状態や見る角度にもよりますが、顔を前から見ると(目を横から見ると)瞳孔が目の外側に接しないです。

実際のモデルさんではこのように見えます。

白内障のうさちゃんの場合、光彩の色は黒いままで、瞳孔が白くなります。

夜空に浮かぶ銀色の満月のような、丸い鏡のような、個性だと思ってお描きしています💝

まつ毛

上まぶたの目尻側のまつ毛が目立ちます。

下まつ毛も少し生えます。おめめの影が落ちて暗くなっていることもあるので、目の下は濃く描くことが多くなります。

まぶた

上まぶたの目尻側が高く盛り上がっています。これは全うさぎさん共通。

その度合いにも個性があり、やや釣り目がちになったり垂れ目がちに見えたりします🎵

グレーのアグーチカラーのうさちゃんは、上まぶたの少し上の毛色が一段濃くなっているのをよく見かけます。

目頭側は、稲妻型に段になった模様ができることが多いです⚡

特にオター・マーチン系、オレンジ系のうさちゃん🐰

目の色

目の輪郭に沿って、外周の縁の部分の色が濃くなります。淡色系の瞳の場合は色の差がわかりやすいです。

淡色系(ブルーアイ、ルビーアイ)

淡色系の目をしたうさちゃんも中央の瞳孔は濃色のまま、外側の虹彩だけ明るい色になります。

光彩の色味は難しいです。ルビーアイ(赤目)の場合でもやや水色を帯びています。逆に、ブルーアイの子とはいっても完全に青一色ではなく、微妙に赤味を帯びます。カラーの絵を描くときは色もよく見なければいけませんね🎨

濃色系(ブラウン、ブルーグレーetc.)

瞳孔は黒で、光彩は赤茶系の場合やブルーグレーの場合があります。黒目がちな印象になりますね。

球体として目をとらえること

ここまでで、解剖学っぽいお話は終わり。今度はデッサンとしての描き方の話になります。

うさちゃんのおめめは球体です。球として(立体として)捉えて描きましょう。

例えば下図のように斜めから見ると目尻が見えなくなります。目尻は目の表面を挟んで奥の方、地平線の向こう、みたいなイメージ。

同時に、目の下にある、毛のないまぶたの部分が目の輪郭の向こう側へ回り込んでいきます。図の赤い線が青い線の向こうに隠れるんです。

形の隅が尖らないように

円形を斜めから見て描くとき、円の縁が尖ってレンズ状の形になってはいけません。

球体としておめめを描くときも同様に、最後までしっかり丸く描きます。デッサンの基本中の基本です✨

瞳の映り込み

次は質感描写!うさちゃんの瞳に反射して映り込む像を描いてさらにリアルに!

目は球体なので、映り込みの像も歪んで見えます。あくまでもイメージですが、下図のように青の曲線に沿って映り込みの像を描くと球面らしくなります。

映り込みは、「尖った曲線」を意識して描きましょう。三日月型🌙や、銀行の地図記号みたいな形。

特に白うさぎさんは瞳の下に自分のほっぺが映り込んでいるのがよく見えます。

キャッチライト

瞳の表現に大切なアクセント。目に入る光の点です。描くと一気に目に命が宿って見えてきます🌱

キャッチライトは入れればよいというものではなく、周囲の状況に合わせて強さや大きさ、数を決めるのですが…。

一般に、キラキラした質感を描写する時は、ハイライトを以下のように描きます。

  1. 明るく
  2. 小さく
  3. 輪郭をくっきり

僕は昔、趣味で3DのCGを描いていたのですが、この3つがツルツル・キラキラした質感にする設定です。反対に、「暗く」「大きい」「ぼやけた」ハイライトは布や石などの質感に見えやすくなります。

アナログのデッサンでも同じです。明るく小さい、くっきりしたハイライトは下図の左のような質感に、反対に、右の球はマットな質感で描きました。

とはいえ、やみくもにハイライトを明るく描くとギラっとした怖い目になってしまうことがあります。強すぎたときはあえて一段階暗い色にしてみたら落ち着くかもしれません。

白く塗り残して描くのではなくいったん塗りつぶしてから練りゴムで白抜きするのも、明るくなり過ぎないコツです👍

質感描写のための色や明るさ

瞳に限らず透明感のある物は、中でいろいろに屈折したり反射したりして局所的に明るくなることがよくあります。

うさぎさんの場合、目の下側や、斜めから見たときのサイドの輪郭などに光が集まって明るくなりやすいです。

本来は暗い色でも明るくなることにより彩度が高くなることがよくあります。下の絵はデッサンではなくカラーのデジタル絵ですが、茶色い光彩の明るいところは、ほとんどオレンジに近い色を混ぜてます。

いろいろな表情

目には表情がよく表れます。応募してくれたモデルさんの中から様々な表情をお届けします🎵

パッチリ

パッチリおめめは正義です✨

まったり

こちらはリラックスムード。なでなでしてもらえると目を細めて気持ちよさそう😊

こちらはちょっとおネムなうさちゃんです😴

チロ目

さっき説明した瞳孔光彩の更に外側に、人間でいう白目があります。うさちゃんの白目は、普段はまぶたの中に隠れていますが時々見えることがあるんです。これもかわいいんですよね🥰

毛繕いやごはん等に夢中な時、ぽけーっとしている時などに見られますね。

おこ

今度はちょっとおこな表情。下の子は少しむすっとしたところだそうです。

そしてこちらは…

さらに激おこ💢

今日はもう、そっとしておいてあげましょう(笑)

おわりに

以上、長ーくなりましたがうさぎさんの瞳の描き方について詳しく描いてきました。

瞳を描くだけで、どれだけうさぎさんを観察して研究して描いているかお分かりいただけたでしょうか?もし絵の上達を考えている方がお読みくださっていたら、ぜひ読むだけでなく実践してみてください。

最近自分も水彩画の勉強をしていて、本や動画にあることを実際やってみたり、発展させて考えたことを試してみたりする時間がすごく大切だと痛感してます!

それでは、今日はここまでにいたします。最後までありがとうございました✨

この記事シリーズまとめです。
第一回形の単純化、比例
第二回動勢
第三回立体感、面取り、マッス
第四回毛並みの質感
第五回立ち耳うさぎさんの顔
第六回垂れ耳うさぎさんの顔
第七回体の各部の描写
第八回レッキス(飼いうさぎの一種)の描き方
第九回長毛種の描き方
第十回陰影のつけ方
第十一回模様の分類や描き方
第十二回ポーズと換毛による変化
第十三回瞳の描き方
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