しれっと誕生日を迎えたティムですこんばんは。本日は模様が素敵な立ち耳うさぎさんの作品二点を振り返ってみます。
葉っぱを食べる森のうさぎさん
体をグンと伸ばす後ろ姿をご依頼いただきました。その動きの感じに注意して、葉っぱの方に顔を伸ばす構図を考えました。下は鉛筆で構図を決めて最初のウォッシュをかけたところ。
やっぱり彫刻ベースの考え方なので、ポーズや仕草による動き感が出ているかどうかを大切にします。
次の写真で狙いをはっきりさせました。
白うさぎさんなので、背景を暗く落とし、反動で白を浮かび上がらせようという作戦です。
ちなみに当時のメモが残っています。
4/11
うさちゃんのバックを暗くしたが、その周囲の緑が彩度が高すぎてアニメ塗りになっている。赤とかぶつけて落ち着かせたくなるが、そうすると部分を描いていくフェーズになる。
そのまえに画面全体を見渡してベースを作った方がいいのか?
だそうです。
で、結局こうしました。
画面右上を黄色中心に、左上は青中心に、下の方は赤を置きました。赤はあえて薄くしています。これには理由があって、のちにうさちゃんの模様で赤を効かせたいから。
細かく葉っぱや岩の形とかを描く前に、先にふわふわと絵の具をぼかしてなんとなーーくの全体像を作った格好です。
このふわふわぼかしは、前回のような引きの構図だと不自然なのですが、今回は寄りの構図なので、背景がぼけやすい感じですね。
続いて主役のうさちゃんにサッと陰影をつけました。
陰色は、緑と紫をいろいろにブレンドしてます。緑は青と黄色の混色、紫は青と赤の混色なので、緑と紫を混ぜると青多めの灰色になります。
えてして、黄色は光に見え、青は陰に見えます。右上が黄色く光っているので、反対側には青の陰ができるイメージですね。
ここまでのお話と、当時のメモ。
4/15
まずうさぎさんの陰をサッと描いて光の方向を明らかにした。
背景は、細部をきちっと描きながら進めるのではなく、ふわふわと絵の具をぼかしながら全体的に空気感を作った。
右上に黄色、左上に青、下段に薄い朱、と構成する。(朱はあえて薄く)
次は近景と遠景の距離感を出したい。特に近景を前に出したい。
画面左をもう少し暗くしたい。奥に行かせる作業と並行して行う。
それを受け、描いたのがこちら↓
左下の苔が生えた岩みたいなやつ。右上からの光を受けて黄色を使いました。明るい黄緑ですね。陰をはっきり描くと光が見えやすくなるので、グンと暗い深緑で明暗くっきりさせました。
こんな風に、手前に来るものは鮮やかな色を使って明暗の差を大きくすると前に出てくる感じ。
次に画面左側の奥の方を描きます。
奥の方は、逆にくすませた青を薄く被せてぼんやりさせると引っ込んで見えてきます。ついでに葉っぱの輪郭を描いたり、ざわざわと茂みのようなものを描いたり。
うさちゃんの足元や背景の陰を描き…
体の模様も下描きしました。
右側の背景もぼんやり描きます。ここははっきり描きすぎないように気をつけました。光の感じがきれいなので。それを生かすため黄色を中心に使います。
左上の背景も進めます。今度は青系で描いていきます。
改めて、主役はうさちゃんなので毛並みもしっかり。
さ、ここで満を持して赤の出番です。うさちゃんの模様の部分に強い赤を置き、強い印象に引き締めようとしました。
ですが、さすがにやり過ぎなので後日色を和らげてます(笑)。
とはいえ、アクセント的に強い赤を使っていることは一緒。ここから最後の追い込みです。
白いうさぎさんの毛の感じを出す手助けとして、隠し味に銀の絵の具を使いました。下のラメ状に光っているのが銀絵の具。
その他、手前の岩から生えている細かい草がうるさく感じたので塗りつぶすなど、微調整して完成です✨
額縁はナチュラルカラーのリクエストでした。森の優しい雰囲気に合ってますね🌳
オレンジのインク絵
もう一点ご紹介します。モデルさんの毛色にぴったりのオレンジインクのイラストです。
インクを強くぼかしながら全体に描き進めます。
目立つ陰を描いていくと形が見えてきます。
瞳や足元を描きました。この時点では濃すぎてバランス悪いです。
下の画像が終盤です。おひげの部分に細かいマスキングをしました。あとでマスキングをはがすとおひげの部分を白くできます。
下が完成画像です✨
以上、二点のメイキングでした。完成がギリギリになってしまって慌てました💦
届いた作品に満足いただけて今回も一安心。
というわけで今回のメイキングはここまでです。作品オーダー受付中です。ご検討よろしくお願いします。
では次の記事で。またお会いしましょう✨
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