こんにちは!森のうさぎさんシリーズの新作発表です!
木洩れ日の中で休むうさぎさん
先日描いたデッサンに大変感銘を受けてくださった方からのオーダーです。

絵のライナップをご案内し、本格オーダーシリーズ、F4号水彩画の森うさ仕様に決まりました。
頂いたお写真が正面向きだったのと、大画面のサイズを生かした構図。あえての日の丸構図(真ん中にモチーフがドンとある構図)にして、木洩れ日のアイデアが閃きました。

鉛筆だと暗く見えますが、水彩だともう少し優しい色合いになります。この案でOKいただき、制作となりました。

上の写真が本番に描いた鉛筆の下描きです。
実はこの写真を撮ったのが先月下旬。オーダー確定から3週間近く後でした。その間、ずっと習作を重ねていたんです。
なぜかというと、水彩画で木洩れ日の表現は非常に難しいから。水彩絵の具は原則的に白い部分を上から重ねて描けないので、塗り残しながら描くことになります。この構図は事前の計画性が問われます。
また、木洩れ日の形がおかしいと非常に不自然になってしまいます。うさぎさんという、立体の上に落ちる光なので、光の部分の形がうさぎさんの表面の形に添って変わりますよね。考えただけで難しそう…。
というわけでとても難易度が高いので、色を重ねる順番、マスキングする場所など、今作は事前にかなり作り込んで計画通りに進めていきました。

下描き完了。ここから色を載せます。

今描いた部分がこの絵の中で最も明るい部分。最も明るくても、真っ白にはなりません。地面の黄土色や背景の緑を、微妙に色調を変えてぼかしました。続いてマスキング。

黄色く乗せたのがマスキングインクです。この上に絵の具を載せても、後でマスキングインクをはがすと塗る前の色が残ります。地面や背景の枝に落ちる光の部分をマスクしました。
ここまではいいんですよ。この次を描くのに息が詰まる思いでした。全体を影色で塗ります。ここで失敗したら全部やり直し。

この微妙な影の色を作るのにもかなり時間をかけました。くすんだ茶色に、緑も使っています。森の中は、緑の葉っぱを透過した光が差してくるので緑寄りの光になるんですよね。
刷毛で一気に塗った部分がある一方、極細の筆で繊細に塗り残した部分もあります。大きな絵なので絵の具が乾く前に広範囲を塗りきる必要があり、霧吹きを使いながら進めました。
一般に、影の下には影ができません。なので、木洩れ日がなかったとしてもうさぎさんの形で陰になる部分には、木洩れ日の光が当たることはありません。事前の練習成果を元に、そんなことに気を付けながら慎重に描きました。
ここまでイメージ通りに仕上がって、ほっと一息です。

草の色を描きます。ここでも影の中なので、意識して彩度を下げています。深緑~緑~黄緑のぼかしを工夫して。

地面の色。自然な黄土色です。

後ろの木の葉。細かい形は気にしないで、葉が茂る雰囲気を描いていきます。

いったん背景全域に色が載った感じです。

ここでマスキングをはがしました。マスキング前に黄色や緑を薄く乗せましたが、それでもかなり白く見えますね。
使用した用紙はややマスキングに弱く、一部紙が破れてしまった部分もありました。地面の一部など。

さっき、「影の下には影ができない」と言ったのですが、明るい屋外の場合はあちこちに反射光が飛び交っているので陰の下に薄い影ができることがあります。この場合うさちゃんの体や耳の影です。

背景ばかり進めていましたが、ここから本格的にうさぎさんを描きます。まずは背中から、温かみのあるオレンジを置いていきます。

お顔の方も。

細部まで筆が入ってきました。

毛並みをモフモフしていきます。うさぎさんらしくなってきましたね。

うさちゃんと釣り合いを図るように、背景をもう一段階濃くしました。
普段はやらないのですが、左下の部分のように、紙をひっかいて白い部分を出し、木洩れ日の光を描き足しました。

このように質感が変わって見えるので多用は禁物。
その他随所に筆を入れつつ、おひげやホワイトを入れて、完成です!
うさぎさんを描きました🌳🐰

額装は白のマット付きをご希望。ミルク系のフレームをコーデしてご提案しました。

爽やかな画面になりましたね!
届いた絵はご家族皆様に温かく迎えられました。「ティムさんにお願いして本当によかったです。」とおっしゃってくださり、画家冥利に尽きる瞬間です!
さて、今作のメイキングは以上です。現在本格オーダーの水彩・アクリルに取り組んでいます。皆様からのオーダーを心よりお待ちしております。
それでは今日の記事はここまで。本日も最後までありがとうございました。
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