みなさんこんにちは。これから連載記事を書いていきたいと思います。画家、イラストレーター、ハンドメイド作家、YouTuberその他、すべてのクリエイターが参考になるかもしれない、ブランディングツールの自作記録です。
第一弾は高級感あるブランドロゴの自作記録
もともとは、ずっと前に決めていた僕のブランドカラーをあまり使えていなかったことから、もっと使いやすい新しいカラーを考えよう!と思ったのがきっかけでした。
先代ブランドカラー
そんなわけで適当な色を探していたところ、どうせ変えるんならこのサイト全体の配色も作り直して、名刺やショップカードもすべて作り直し、統一感のある世界観を打ち出そう!と一念発起したわけです!そこまでやるならもう、ロゴも一新しよう!まできたんです。
僕の凝り性が発症したようです😷
ちなみに僕はデザインを学んだ経験はほとんどなく、美大1年のころに各専攻共通の実習で少しやったくらいです。
必要に迫られ自己流で作ってきたグラフィックデザイン↓




素人っぽいでしょ?😇
素人なんでプロのようにはできません。ただ絵でもそうなんですけど、明らかな破綻がない一見普通のものを作るだけでも大変な努力が要ります。とりあえず恥ずかしくない普通のものを作るのを目標に頑張ってみます。
ツールとしては、Illustratorは持ってないけど、写真の加工で使うのでPhotoshopは持ってます。Adobeのフォトプラン。これね。
そんな僕が独学で挑んだデザイン奮闘記。始まります!
コンセプト、的な。
デザインですから、何を伝えたくて、誰に伝えたくて、って考えないといけません。
うちのブランドスローガンは、あなたの「大好き!」でいっぱいのカタチ。
つまり作家として僕が目指しているのは、
目には見えなくても、うさぎさんを愛する人の心には確かに見えているうさぎ愛に寄り添うこと。
・多頭飼育しているが、うさぎさん同士がケンカしてしまうため並んだツーショットの写真が撮れない
・以前飼っていたうさぎさんと今のうさぎさんのツーショットが見たい
そんな飼い主様のお気持ちに寄り添い、割増料金なしで複数写真を合成した絵画の提供をしたり、

うさぎさんが緊張してしまったり、危険を回避したりする目的で屋外にうさぎさんを連れ出すことを自粛している飼い主様であっても、愛兎さんが豊かな自然の中にいるさまを描いた「森のうさぎ」シリーズ。
天使のようにかわいい「うちの子」を天使さながら翼付きで描いた「大天使うさエル」シリーズ。

そして本業の木彫りうさぎ。置物にすぎないかもしれないけど、僕は名前を付けてかわいがっています。僕にとっては生きたうさぎさんだから。

などなど。
うさぎさんのかわいいところ、細部までたくさんあります。「大好き!」でいっぱいのカタチにしたいから、画風は自然とリアル寄りになります。大学でデッサンをしっかり勉強してきた自分の強みでもあります。
僕のお客様はほとんどがうさぎさんを飼っている女性です。一般の方が購入するうさぎグッズとしては、僕の作品はお値段高め。学生さんは少ないです。主婦のかたが多いですね。
ただファインアートは一部の富裕層だけが購入するもの、自分には関係ないこと、と思われたくないです。本格的なアートを、今までアートと縁がなかった人へお届けしたい。だから、”あなたの”「大好き!」でいっぱいのカタチ。なのです。
これらを踏まえ、大人の女性がすんなり受け入れられて、ちょっと高級感のあるロゴを目指します。
用途を考える
以下の用途を想定してデザインに取り掛かります。
- 名刺やショップカード
- このサイトのファビコン(ブラウザのタブについているアイコン)
- 作品のパッケージで使用するブランド名を付した紙の帯
個人的な話ですが、そもそもロゴは、デザイン上の理由や印刷の関係で写真を使うのが難しい場合に使用します。写真が使えるときは、ぷいちゃんの写真が入った丸アイコンを使います。
なので、仮に一色刷りになっても基本的な形がつぶれないことが最低要件。
またこの用途では、ロゴ単体としては正方形に収まるシルエットが使いやすそうです。横長デザインが必要な時は屋号と組み合わせます。
競合分析
同業の作家さんたちのことをあまり競合とはいいたくないのですが、うさぎグッズを取り扱っているハンドメイド作家さん、イラストレーターさんとはお客様の層が重なっています。
美術作家、つまり〇展とかの公募団体系作家さん、企画画廊に所属する個展グループ展メインの作家さんなどとは住んでる世界が違う認識です。あの人たちロゴデザインしないでしょ。
ハンドメイド作家向けロゴデザインをさっと検索すると、どうも視認性を犠牲にしておしゃれに全振りしてる印象。色が淡く、細い線でイラストや手書き文字のショップ名をつける、みたいな。
トレンドは取り入れつつも、僕はもう少し強い色と形を使いたい。深い色のほうが高級感があり、差別化になります。パッと見た時に塗り面積が広いため、シルエットの絵はインパクトが大きそうです。
実制作
アイデアスケッチ・ブレインストーミング
手始めに、「木」「うさぎ」「ティム」などのキーワードでアイデアスケッチしてみました。

実際描いてみると自分の思考の狭さに引きます。ブレインストーミングだから、この時点では否定せずにどんどん描く!って感じです。
いくつかの案をさらに深堀り
うさぎさんの模様だけを抜き出して木目エフェクトをかけたシルエットが気に入り、フォトショで二次案を作りました。こんなかんじ。

いいとこまで行きましたが、一番左はパッと見てうさぎだとわかるだろうか?という疑問が。上の画像のサイズよりずっと小さく表示・印刷する想定ですから。それで一番右の案。う~ん。何かパッとしない。そしてもう少し垢抜けたい。

逆にかわいく親しみやすい方向で考えた案です。ラフの時点で第一印象が弱く、次に進める前に却下。
他、木目だけで丸などを塗ったデザインや、いっそ木やうさぎの説明はやめて、屋号のモノグラムを作ろうか、など、考えては却下の繰り返し…。
悩んだ挙句方向性から再考し、最初のスケッチにもなかった別案を絞り出しました。外注してないから、こんな根本的なリテイクも遠慮なくできます。
できたのがこちら↓

うさぎさんを守ってくれるような、大きな木のイメージで作りました。全体が円形に収まり、「ナチュラル」「調和」「優しさ」を象徴します。
リアル絵風で、シルエットが高級感ある感じ。今自分がやっている仕事から印象が離れていない。ロゴとしての役割を考えたとき、これが一番大切だと考えました。この方向性に決定!
縮小すると形が見にくいですが、多少は目をつぶります。ファビコンくらい縮小しても上下に分かれた半円くらいは知覚できます。名刺サイズで遠目に見ても木のシルエットくらいまでは認識できそう。それなら、ほかのブランドと見分けるには十分と妥協しました。今回一番の反省点。プロはこの辺もビシッと決めてくれるんだろうな…。
最終案をブラッシュアップ
まずうさぎさんを大きくしました。木に対して縮尺が合いませんが、ぎりぎりまで拡大しました。
ついで、うさぎさんが一匹だけだと寂しいので増やしました。これでぐっと良くなりました。特に、うさぎさんらしい習性を取り入れて、うさぎ好きなら「クスっ」となる微笑ましさをプラス。(立ち上がったポーズ、通称「うたっち」、探索するように鼻先でつっつく仕草、お尻など体の一部をどこかにくっつけていると落ち着く習性)
また、木の形を無理やり円形の枠に収めた結果、幹に対して枝葉が右に大きくはみ出したように歪んて見えます。そこで、円の左側はシャープにカットし、「ここから先にも葉っぱがあるけどトリミングしたんだからね!」的な説明を加えました。
以上を踏まえ、こちらで形が決定!
-べた塗り-300x300.png)
原画はペンタブで手描きですが、仕上げにベクター化し、主にうさぎさんの箇所でパスを編集して整えました。これで拡大も安心。
ただパスに変換しても手描きらしい温かみは残しました。スタバのロゴ、厳密には左右非対称だってご存じでしたか?あれはカチカチの幾何学図形に見えないようにする工夫だそうです。
ブランドカラー再考
最終案と並行して、当初の目的、ブランドカラーを考えていました。
真っ先に考えたのは素直に自分がきれいだと思う色。しっとり深い緑や青、瑠璃色です。

すごくきれいですが、印刷した印象は色がきつく、ちょっとお客様好みでもなさそうでした。
やはり大人女性向けということで、次に考えたのはくすみピンク系です。
ピンクベージュ、ラベンダーなどから組み合わせた案がこちら↓

一時は真ん中の案で決定までいきました。が、一晩経ってまたわからなくなりました。
この色で名刺やブログなどデザイン展開するイメージがわかない。なにより、自分らしさを感じない…。
色相からゼロベースで見直し。

ブルべ夏!?
おしゃれに振って視認性を犠牲に…に自分もなってる。女性だからピンクがいいでしょなんて今の時代失礼まである。うーん。うーん。
あと彩度が高いグラデーションはファ●ナルファン●ジーっぽくね?
とまあ今回もさんざん悩みましたが、最後に助けてくれたのはやっぱりうさぎさんでした。
うさぎさん色にしよう!
うさぎさんもたくさんカラーがありますが、チョコレートやチェスナットといった茶系のイメージが浮かびました。例えばこの子のような色ですね。

また、ローアンバーという緑がかった茶色の絵の具は、薄めたり白を混ぜたりすると、長毛うさぎさんに多い優しいミルクティーベージュになります。この色も参考になりました。
下の集合絵では左上のうさちゃんがローアンバーベースの色です。

ここから一気にイメージがまとまり、こちらが完成デザインです。
-favicon-300x300.png)
どうも。高級オーガニック化粧品ブランドに転向しました。よろしくお願いします。
ほどよい赤みの優しいチョコレートブラウンをメインカラーに選びました。くっきり視認性がよい点を生かしつつ、彩度を下げて上品に。
グラデーションでゴールドを思わせる明るめのカラーをいれて高級感を演出しました。シルエットに暖かな光が漏れているようにも見せる意図です。
ちなみにこちらが先代ロゴ↓だいぶ変わりましたね。

ベタ塗版と白抜き版も作りました。
-べた塗り-1024x1024.png)
-白抜き-1024x1024.jpg)
ここで使ったカラーコードを公式メインカラーに決めました。
サブカラーは別途決めたのですが、それは次回のブログ編で。
ブログ編では今回決めたテーマカラーとロゴに沿ってこのサイトをリニューアルした話と、ラッピング用ブランド帯の制作についてお話します。
それでは本編これまで。最後までありがとうございました。次の連載もお楽しみに♪
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彫刻・絵画・イラスト(アナログ/デジタル)等多数制作しています。
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