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ホワイトワトソン水彩紙をレビューしてみます。

水彩画は一度失敗すると修正が難しい??そう思った方はこの紙を試してみてください✨

ホワイトワトソン水彩紙 300g ブロック

実はホワイトワトソンは一番長く愛用している水彩紙です。作家活動がブランクに入る前、15年前に買ったF6サイズがあって、うさぎ作家になってからも残ってたのですが…。

ごろん
ホワイトワトソン作例

古い紙なので、最新の製品はマイナーチェンジされてるかもしれないし、経年変化もあるかもしれなかったので、このブログでもレビューは遠慮してたんですよね。

つい先日、新しい製品をSMサイズで買ったので満を持してレビューです✨

こちらです↓

基本情報。

外観はこちら。キラキラ光るパールホワイトの表紙です。

見慣れた安心感💖

ブロック画用紙を買うと、どんな絵が生まれてくるのかなってワクワクしませんか?

スペック的な話をすると、紙厚は超特厚口の300gです。他の高級水彩紙と同じ厚みで、水をたくさん使う人も安心ですね。下の写真は別の紙ですが、同じ300gの紙です。

小さい目盛りが1mmです

コットン100%ではありませんが、パルプの紙よりもコットン紙に近い感覚で描けます。

ブロック綴じのSMサイズは15枚綴りで、記事執筆時点で1300円くらい。

代表的な国産水彩紙で、画材屋さんならどこでも手に入ります。こちらはホワイトタイプですが、ナチュラル色もあり、サイズ展開も豊富🌾

紙目

照明の当て方で紙の凹凸をわかりやすくして接写撮影してみました🔍

ホワイトワトソン紙拡大
ホワイトワトソン紙拡大

個人的にはエンボスの大きさだけでなく深さも紙の個性として重要だと思ってます。

ホワイトワトソンは紙目の凹凸が浅いです。このため、紙目にペンや筆が取られないんです。つまり速い筆遣いでも線が途切れないし、極細の線を安定して描きやすいです。

また紙目が深いと濃い絵の具をジャブジャブに塗った後、凹部に顔料が沈んでムラになってしまうのですが、これも目が浅い方が起きにくいです。

一方、筆を寝かして描く効果が出にくいです。絵の目的次第ですね。

ちなみに下の写真ではもともと使っていた15年前のホワイトワトソンに最新のものを重ねて撮影してます。

微妙に変わったかもしれないですが大きな傾向は一緒でした。

紙色

紙の白色度の比較です。

ホワイトワトソンはかなり白い方ですが、特に白色度が高いファブリアーノエキストラホワイトやウォーターフォードホワイト、アヴァロンにはやや劣ります。個人的には気にならないレベルです。

僕が白色度にこだわるのは白絵の具を塗ったとき、紙色との差が目立つのが嫌だから。もうちょい補足すると、紙色の部分と白絵の具の部分では光沢感が違うのです。

僕はうさぎさんの絵を描くのが専門ですが、白うさぎだと目立つんですよね🐇

どうしても気になる方は、紙色と同じ色に調整された公式の修正絵具があります。これでハイライトを描けば馴染んでくれるはず。

リフティングがやりやすい

この紙の一番の特徴だと思います。水彩絵の具は一度描いたら後から色を抜くのが困難ですが、ホワイトワトソンは色を抜きやすいです。修正を重ねながらじっくり絵と向き合えます♪

リフティングの定義としては、絵の具が乾く前にふき取ることを差す場合と、完全に乾いてから水のついた筆などで絵の具を溶かして吸い取ることを差す場合と、両方あるみたいです。

乾く前にふき取るのはどんな紙でもできますが、乾いた後で色を抜くのは、ほとんどできない紙とできる紙に分かれます。ワトソンはそれができるのです✨

例えば冒頭の作例の制作過程です。

この時点ではしっぽを描いていますが…

次の段階で、すっかり消えてしまっています。

水彩色鉛筆を多く使っているとはいえ、ここまで修正が効くのはこの紙以外見たことがありません。これは本当にすごいです。

ホワイトワトソンのレビューをネットで見ると、初心者向け、という表現が多くみられます。失敗しても修正しやすく、価格がお手頃なこともあってか、上級者は卒業する、みたいなニュアンスを感じることも…💦

リフティングの目的は失敗の修正だけではなく、光の回り込み(写真でいうフレア)を描く手段や、霞を表現する手段でもあるんで、慣れた人もどんどん使ってみるのがおすすめです✨

ちなみに下の絵の背景にある木洩れ日は、ホワイトワトソン紙でリフティングした後、微かにイエローを加えて描いてます。

ただリフティングしやすい紙は、重ね塗りしたときに下地の絵の具が抜けやすい、という欠点もあります。同じ現象を言い換えてるだけなんで仕方ないです🙂

下地を溶かさずに重ね塗りするときはどうするかというと、画面に筆を当てるストロークを1~2回にとどめる必要があります。特に、下地よりも薄い絵の具を重ねる時は要注意。すぐに色が抜けて白くなっちゃうのです。

作例。

あれこれ言わずにまずは何か絵を描いてみましょう(笑)

こちらはサッと描いた即興画。

背景を描いたときに、うさちゃんの頭の上の方にバックランが出るだろうな…と思ってたんですが、とげとげしないでふんわりぼけてくれました。ひげはオペークホワイトですが紙色と比べてそんなに違和感ないです。

もうちょっとゆっくり描き込みをした絵も紹介してみます。

体の方の白い毛の部分や、ハードエッジという輪染みの部分は、絵の具を溶かしながら拭き取って修正してます。これが効きやすいのはホワイトワトソンならでは!

もう一点。今度は森のうさぎシリーズ。一か月かけてゆっくり描いた絵です。インチサイズ(203×254mm)の少し大きな作品です。

夕陽から射す光をリフティングで抜き取るようにして表現してます。

後から修正できるので、気兼ねなくのびのびと色を置きながら制作できました。

まとめ

高コスパで使いやすい紙です。特にリフティングがやりやすく、かつ、ここまで白い紙となると、ほぼこれしかないのではないかなと思ってます。定番でありながら独自性もある、これからも長い付き合いになりそうな紙です。

(今誤変換で「神」と出ましたが神ですよ!神紙!)

ぜひぜひお試しくださいね!

このブログでは素材・技法・道具というカテゴリ内で他の水彩紙のレビュー、画材や木彫道具についても色々書いてます。他の記事も参考にしてくれると嬉しいです。

それではまたお会いしましょう。最後までありがとうございました✨

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