こんばんは。連休明けの方はお疲れさまでした🍵。今日はうさちゃんの絵を描くときに気を付けている瞳についてのお話です。
画竜点睛の意味
画竜点睛(がりょうてんせい)🐲。中国の故事成語ですね。物事の一番大事な最後の仕上げのことを言います。「画竜点睛を欠く」という言い方で、大切な部分が抜けている、みたいな意味です。
もともとのストーリーは、画家が竜の絵を描いたとき目だけ描かないでおきました。描くと絵の中の竜が動き出し、画面から出て飛んでいってしまった、ってお話です。
いやいやどんだけリアルに描いてるんですか❗東洋人はすぐ話盛るんだから~。って、僕は思ってました。
ですが、うさぎを描くようになってから思ったんです。この話には画家の先人たちの知恵が隠されている、と。
というわけで、この記事では絵を描く人の目線から画竜点睛の意味について考えてみたいと思います。
うさぎのキャッチライト
うさちゃんの目はキラキラですね✨瞳にはキャッチライトと呼ばれる光の白い点が写り込みます。キャッチライトとは写真用語で、グラビアなど人物撮影でよく出てくる言葉です。
僕はこれを絵の最後の方に描きます。理由は、初めの段階で描くと、完成した気になってしまうからです。
下が瞳を描く前🕐
描いた後がこちら🕒
キャッチライトを描き入れると瞳の印象がグッと変わります。これだけで目が生き生きしてきます。これはデッサンとしては怖いことです。
デッサンは時間をかけて完成度を上げ、絵の密度を高めていく必要があります。描き込みが足らないと薄っぺらい絵になります。よく描き込んで充実したデッサンには「すごみ」があります。
やっかいなのは、何をもってして絵が完成となるか、描いている本人にはわかりにくいことです😢。
キャッチライトを描くことにより、本当はまだまだ描き込みが足らないのに絵が完成したと勘違いしてしまいます。僕はそれを恐れて、いつしか、十分絵として成り立ってきたと思えるまで瞳の仕上げはやらなくなりました。
そして、ふと思い出しました。画竜点睛。あ、そうか。昔の人も同じこと考えていたのかも。この言葉は、安易に完成したと思い込まないようにしろ、という教えなのかも!
水墨画と鉛筆デッサンは確かに技法が違いますが、絵の要所を押さえる考え方は一緒です。僕はこの言葉をそんな風に理解しました✍
しかーし!価値観がいろいろなのもアートの面白いところ。逆にこうも言えます。
早い段階で作品の第一印象をつかんでおくためにも、先にキャッチライトを描いておけ。
美術は映画小説などと違って、「ラスト10分で衝撃の展開⁉」っていうどんでん返しができません。見た瞬間が超大事。完全に出オチです。いや、言い方(笑)
だから、第一印象が大切です💖。それを研ぎ澄ませていくため、僕とは逆のやり方をする人もいるかも。
というわけで瞳のキャッチライトを最後に、というのは僕のやり方なのですが、せっかくなのでここで描いてみましょうか✏
実践!
まず下描き。安定の猫目🐱
続いてざぁーっと陰影と色を入れます。
軟らかい鉛筆に持ち替えてザクザク描きます。黒目を塗りつぶして擦筆でこすります。
さらに毛並みを描いたり。まつ毛を描いたり。
で、満を持してキャッチライト✨
ね、白い点を入れるとそれっぽくなっちゃうでしょ?これが怖いんだって。急いで描いたのでこの絵も本当は描き込み不足です💭
というわけで今日は制作論みたいなお話になりました。ほかのうさぎ作家さん、画家やイラストレーターの方も「わかるー」って人いるかも。僕はこんな考え方で描いてます。
それでは今日はここまで。次の記事でお会いしましょう。またねーー🙋♂️
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