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森のうさぎさんと大天使うさエルを描きました。

こんにちは!カラー絵2点のメイキングをお届けします!

僕(本人や僕の作品)をYouTubeで紹介してくださる方が、ありがたいことにたくさんいらっしゃいます。今回ご縁があり、動画を見たある方からオーダーのお問い合わせをいただきました。

オーダー内容は大天使うさエルと森のうさぎさん水彩画、両方ともF3号サイズの本格オーダーシリーズでのご注文となりました。

大天使うさエル

オーダーによせて、お客様はモデルさんのお写真を、ぐるっと一周、全角度の分を送ってくださいました。その中で僕がひときわ心ひかれた一枚を元に構図を組みました。

やや下から見た正面顔が、尊い天使の絵柄にぴったりでした。翼はモデルさんのブロークンカラーに合わせて模様を入れようと思います。

いつものように下地材を3層塗り重ね、ブラウン→ゴールドで地塗りしました。少し塗っては完全乾燥させつつ、10日くらいかけてます。

背景は少しオレンジを加えた夕焼けに。まだ上の時点では下地のブラウンが透けていて色が暗いです。アクリル絵の具はとても透明なので、しっかり塗り重ねて色を重厚にしていきます。

全体に色調を落ち着かせつつ、十分に塗り重ねました。

うさちゃんの位置決め。

まず二色陰影にして方向性を決めると後が進みやすいです。白く塗っても、やはり下地のオレンジが透けるので、しっかり絵の具を重ねます。まだ足りない。

受注してから再度詰めのデッサンをしたのですが、並べて撮影しました。

今回初めて、衣の色にウルトラマリンブルーを使用しました(過去作の青い衣は、フタロブルー、やや緑みの青です)

ウルトラマリンブルーは、青い宝石から作った顔料がルーツになっています。やや赤みのブルーで、高貴な印象です。かつては現在のような合成顔料が作れなかったので大変貴重だったそうです。

青といえば、聖母マリアの衣の色は青が多いです。フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」も青いターバンが印象的ですね。英国王室のロイヤルブルーも、やや赤みの青です。

そんなウルトラマリンブルーを自作で使ってみたいと思っていたところに今回のご縁でオーダーがあり、採用に至りました。

いったんうさちゃんの全体を塗ったところです。おめめが入りました💕

ちょっと右耳長すぎ。

ブロークン模様。白との境目は少し黄色っぽくなります。

いったん翼を描いたけど…

向かって左の翼の位置が横に張り出し過ぎておかしいので塗りつぶしてやり直しです。

こんなふうにアクリル画は、進んだり戻ったり。

翼を描き直し、毛並みの方も描き進めてみましたがなんか全体的に赤っぽいなぁ。。

翼の描き込みを進めつつ、衣の明るい部分を重ねて二色陰影にします。風でひるがえったように。

衣のハイライトと足を描いて、天から注ぐ光を描きました。神々しくなってきました。

全体に筆を入れます。終盤です。衣がごちゃごちゃしてうるさく見えるので落ち着かせてみます。背景の雲を思いっきり暗く。明暗のコントラストを出したい。

背景の黒を増やしましたが、これではだめ。オレンジと黒の組み合わせって、かわいいうさぎさんの絵としては相性が悪いです。スズメバチのような警戒色といわれる配色ですから。

遠方は光が回ってもう少し黒が明るい色になるはず。

少しずつ雲に奥行きを出していきます。

瞳に光のハイライトが入りました。

額にいったん入れてみて印象チェック。

おひげを描きました。光の筋と、光が照り当たっているうさちゃんの頭にイエローをかぶせました。

サインも施して、ついに完成!うさぎさんを描きました。

ガチ額です。

お客様には瞳とお耳を絶賛いただきました。神々しいと言ってくださり感激です!

瞳は、もともとこの子がブラウン系の瞳であること、夕焼け色と強い光で瞳の中で複雑に反射が起こって明るくなるのを、オレンジを差して再現しました。

光が透けて温かいオレンジに染まるお耳はうさぎさんならでは!

ちなみにキャンバスの側面。下地のホワイトや、ゴールド、オレンジ、茶色を何層も重ね、丁寧に作った画面です。

森のうさぎさん。初めての春

もう一点、水彩画のオーダーです。テーマは「初めての春」。モデルさんが生まれて初めて目にする、春爛漫の景色に包まれているところを再現してほしい!というご依頼です。

春の初めも嬉しい季節ですが、今回は春真っ盛りをイメージしました。5月ごろに咲くタイムの花、右下にはたんぽぽの綿毛を飛ばしました。たんぽぽはうさちゃんも大好物ですからね💕

光は画面左上から右下に差し、風向きは画面右手前から左奥へ。そんな構想です。

遠方に菜の花のような黄色いお花を群生させます。

お客様からは、生まれて初めての春なので幼い顔立ち希望、いや、大人の顔にするか任せる!とご相談があり。ベビ期の写真も見せてもらいましたが、ベビ顔の採用に決めました!

水彩はアクリルと異なり後戻りが難しいので、事前の構図の詰めに時間をかけます。デッサンは3回くらいやり直しました。うさエルの絵が佳境に差し掛かった5月下旬、本番の水彩紙に鉛筆描きを始めました。

元資料でいただいたお写真はケージの中から外を覗いている、成長した頃のお写真。このポーズのまま、別にもらっていたベビ期のお写真をもとに、赤ちゃんの姿にします。もちろんアングルも異なるので、経験を積んだ推測が必要です。

この子のベビ期は片耳立ち。とってもキュートです。そして、瞳の距離を離して位置を下げ、額を丸く。頭を大きく。ベビーファーと呼ばれるふわふわの毛足がつんつんと伸びるような輪郭。赤ちゃんうさぎの特徴です。

大きくぼかしで色を抽象的に配置、つまり、花とか草とか形にこだわらず、「この位置にこの色がくる」みたいな感覚で色を置きます。

ピンクは紫と好相性。統一感を保ったまま互いを引き立てます。

背景にかすんだ黄緑。これも抽象的に。

うさちゃんの陰色を二色塗り。陰色は、普段はもっとくすませた色を使います。今回は春爛漫がテーマ。できるだけ色を濁さずにいきます。ということでピュアに近い紫を薄めて陰にしてます。単調にならないように黄緑とピンクをぼかしてます。

逆に光が当たる部分はレモンイエローで温かく。

山をマスキングして空を描き、マスキングをはがした後です。春の青空って、光が細かく乱反射するのでそんなに青くない。淡い色で明るく仕上げる意図です。やや黄色のグラデーションを重ねます。うさエルでは赤みの青を使いましたが、今回は黄味の青です。

おめめが入りました。

手前のお花を塗ります。

遠方の山を。上の方を濃く、下の方を淡くするのが遠くの山を描くときのセオリー。今回もこれに従います。遠くなので微かにくすんだ色にします。画面右手の山脈は右端ほど手前に来る想定なのでだんだん濃くなります。

右奥の草。最初に黄緑を塗って乾かしてから、濃い緑を重ね、下の方は薄い絵の具を流してバックランという模様を作ります。

奥の菜の花を描きます。手前のタイムの花も陰影を。

これでいったん全体を塗り終わりました。

濁った色を避けていくと安っぽい絵になりがちです。山の色をくすませたり、バックランで変化をつけたりしつつ、澄んだ色を極力残しました。

普通の言葉を使えばいいのに無理して頭よさそうなカタカナ語を使う必要がないように、安っぽい絵と思われたくないから濁った色でまとめるというのも、なんか違う気がします。

主役のうさちゃんにブロークン模様を。

草むらを描いていきます。右下には綿毛が飛ぶので、細かく描かずに絵の具のぼかしで味付けするくらいがちょうどいいです。

不透明ホワイトを重ねて、ふわふわのベビーファーを一筆一筆描いていきます。

真っ白は浮くので、絵の具を溶かしたりしてなじませつつ。

綿毛きたーーー!大きさの変化をつけて前後の奥行きを強調。写真だと望遠レンズですべてにピントを合わせることは不可能なので、絵ならではの演出です。

そしてこれが完成。うさぎさんを描きました。

今回は、スケッチブックに収めてください、とご指定いただいていました。絵の劣化を防ぎつつ収納する方法にあれこれ悩みましたが…

ハードカバーの水彩紙から一枚剥がし、真ん中をくりぬいて窓にしました。その窓を台紙に額装用テープで固定。湿気や乾燥で紙が収縮しても絵本体への影響は最小限です。

作品表面には保護スプレーをいつもより多めにかけて摩擦に備えました。これで大丈夫でしょう!

こちらの作品もお客様がかわいいと歓喜してくださいました💖

本当に生き生きと感想を伝えてくださって、大変な制作でしたがこの人のために頑張れてよかったと、心から思えました✨

スケッチブックはシリーズ化して絵を追加していくとのこと、またこの子を描くのが楽しみです♪

以上メイキングでした。本日も最後までありがとうございました。

オーダー引き続き募集中です。お問い合わせお待ちしております。

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