みなさんこんにちは。今作では以前の画風をアップデートして復刻してみました。
万年筆インク絵風透明水彩画
こちらの作例のような、

赤系でまとめた作品のオーダーを頂きました。
この作品は万年筆インクで描かれています。水彩絵の具と比べてきめ細かく伸びが良くて、ぼかしがきれいに出る点が魅力です✨
一方、紫外線による色の退色に弱く、「長期保存できる作品を提供する」という僕の考えもありこの頃は描いていませんでした。
この度のオーダーで、色褪せに強い水彩絵の具でインクの質感をできるだけ再現する方向性でご提案、お客様にOKいただきました。早速制作過程いってみましょう!
下描き

モデルはルビーアイドホワイトのロップちゃん。ママうさぎさんだそうです😊
いくつかいただいたお写真からこの構図をセレクト。上を向いて牧草を食べているシーンです。やや俯瞰構図なので、足の見え方などに注意します。

細部まで描き込みました。もう少し微調整が必要です。

やや足の位置を上に持ってきて、俯瞰構図が自然に見えるように修正。
頭をぐっと伸ばしている体の動きを意識して、左側の足(うさちゃんにとって右足)の位置を内側に寄せました。その差数mm。わずかですがこの違いが大きいです。
下塗り(背景)

絵の具を置きます。背景から。
強いコントラストを出したいので濃淡の緩急を強く押し出します。
色が単調にならないように、赤系の各色を混色して調色しています。主な使用絵の具はホルベイン透明水彩の、「ピロールルビン」「クリムソンレーキ」など。
オックスゴールを活用しました。
さて、今回インクらしい絵の具の伸びを再現するため、特殊な画材を使用しました。
こちら。
水彩絵の具って水に溶かすわけですが、水って表面張力が強いですよね。一滴垂らしても広がらずに水滴になってその場にとどまっている。
オックスゴールを混ぜると水滴にならずにじわーっと広がっていくイメージです。これが絵の具の広がりを良くする効果を生み出します。
オックスゴールの主原料は界面活性剤ですが、これは万年筆インクにも含まれています。なので、これを混ぜればインクらしい質感を再現できるというわけです✨

背景をもう少し塗り重ねて、うさちゃんを浮かび上がらせました。
下塗り(うさぎさん)
うさちゃんにも絵の具を入れていきます。赤目や体の立体感のベースなどを作っていきます。


細かいところに筆が入ってきました。

ほんとに微妙ですが、あごや右耳に調子を入れています。
中盤~仕上げ

足元の陰をもう少し濃くしてみるなど。

お耳の毛先を繊細に描いていきました。拡大すると

ちょっとピンボケごめんなさい!
完成
その他、全体的な色調調整、細かい毛並みの描写、不透明ホワイトでおひげやハイライトを微調整して、完成です✨うさぎさんを描きました。

制作過程の画像は少し黄色寄りの赤でしたが、原画はこちらの完成画像のようなマゼンタ寄りの赤に近いです。

額縁はダーク色をご指定いただきました。フレーム色が作品を引き締めていますね。
ちなみにサインはいつもの青字ではなく、インク絵と同じようにGペンで赤絵の具を取って書いています。
以上、ワントーン水彩画のメイキングでした。
今回のインク絵風水彩画ですが、「ワントーン」として定番化します。このようなスタイルでオーダーをご希望の方はぜひご相談ください。
指定額縁、インチサイズでしたら森のうさぎさんシリーズと同条件でご提供します。
作例は今作のほかにカテゴリ(インク絵)にたくさんあります。
お問い合わせはこちらまで↓
以上、本日のメイキング記事でした。最後までご覧くださりありがとうございます。それではまた次回記事で。お楽しみに!

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