みなさんこんにちは。ティムです。大天使うさエル最新作の完成です✨
活動再開に向けて
前回のメイキングはここまででした。
休止期間中は、あえてこの作品も見ないようにしていました。再開したときに新しい観点で見たかったからです。
今年の二月から他のオーダー作品と共に、本作の制作も再開しました。
3か月ぶりに作品と、モデルさんのお写真を見て真っ先に直したのが黒うさぎさんのおめめです。切れ長風になってたのを丸くしました。こっちの表情の方が絶対いい✨
またこの時点では黒うさちゃんが立っている地面が狭いので、横に描き足す必要がありました。
全体の描き込み
ここでいったんうさちゃんの描き進めは止めて、背景を進めてみます。
背景の山を描いてみます。
草むらをサッと描いてみました。
奥の緑も描きます。黒うさちゃんの毛並みを追求。この子は真っ黒一色ではなく、額の方など赤みを帯びた毛色になっています。よくよく観察して、モデルさんに迫ります。
湖に映る山を。うさちゃんの脚元の影を強くしてコントラストを引き締めます。手前の木の幹を一段階描き込み。
草の陰を濃く。記録によるとこの辺りで仮に額縁に収めて印象をチェックしてます。3月12日。
逆光なので、手間に向かってうさちゃんの影が伸びるようにしてみます。
朝日と山の境界は回折光と言って、光が漏れてくるのでその様子を表現します。
同じく強い逆光のため地上のうさちゃんの輪郭線が光ります。一番強いところはチタニウムホワイト原色。最も明るい白です。
左手の若木や右手の草むらを。また、空の上の方を暗くしてメリハリをつけます。
さて、この辺りでずっと悩んでいたことに決着をつけました。うさエルと言えば天使の衣が付くのですが…、今回は、無い方がいい！と結論付けました。
飼い主様のお言葉では、長毛さんのおしりの黒い模様は晩年脱毛しても残っていた部分で、ひときわ思い入れが強い部分でした。この模様を隠さず、翼も隠れないようにして、構図的にも邪魔にならない布の形を考えましたが、どう考えてもない方が良かったんです。
その代わり、うさちゃん自身を光り輝くようにして仕上げる方向にまとめました。
さてその長毛さんをさらに描き込み。お耳の手前の長い毛などを描いてます。
夜明けなので、空に残る星を描いてみました。日の出のすぐ前に昇る上弦の月も。本当はもっと細長い三日月になりますが、演出としてふっくらと描きました。
黒うさぎさんの顔が歪んでいるデッサンの狂いについて、反対側の目を描くなど微調整して修正しました。
手前の花はずっと迷っていたのですが、ラベンダーやセージのような房状の花を描きました。遠近感を強調して大きさに変化をつけます。記録によるとこの段階まで描いたのが3月19日。
終盤の追い込み
3月20日。うさちゃんのおひげを描きます。
天使の長毛さんの発光を描きました。
鼻先の黒い模様は元写真の角度の関係で見えないため描いていなかったのですが、他の写真も参考に少し描き足しました。この子の個性に近づきましたね🐰
さて、ここからは最後の悩みです。
山を細かく描きすぎていないか？逆光だし、主題はうさちゃん達だからうるさく感じるので、いっそシルエットにした方がいいのではないか？
というわけでせっかくここまで描きましたが山全体を塗りつぶし。
色が赤すぎてまたやり直し。
うん。まあまあかな。
手前の山の方が暗くなるように塗って、
長毛さんの額のハイライトを微かに強め、左の葉を調整。その他、全体の微調整。追い込みです。
そして最後に…
うさちゃんに降り注ぐ天からの光を描きました。レモンイエローをベースにかすかに黄土色を混ぜて、透明色のメディウムで薄めて描きました。
サインも入って完成…、と思ったら。
最後の修正です。筆をおく前にお客様とのメールのやり取りや、モデルさんの画像を全部見直しました。うさちゃん達の体重の情報もあって、ロップちゃんの方が体が大きいはずでした。
ロップちゃんは長毛のアメファジ種なので、毛の膨らみの分も含めて、もう少し体を大きくする必要があったので、ほんのわずかですが背中の輪郭と、ほっぺの触れている部分に加筆しました。これでホントに完成！
最後に仕上げのニスを三層塗り重ねて質感を強めました。油彩額に収めて、こちらが完成画像です✨
先日無事お客様の元に届き、なんと開封動画も作ってくださいました✨
ありがとうございます！
飼い主様の回想にうさちゃん達への愛情を感じます。家族皆さまが大切にされていた子を、このように大天使のお姿で描くことができ、僕自身も制作の中で成長することができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
以上メイキングでした。活動再開前に仕上げるべきオーダーは残り一点となりました。予定より遅くなり楽しみにしている方には申し訳ありません。今月中にはなんとしても再開させたいです。
それでは皆様、次回記事でお会いしましょう。二編に渡る記事、最後までありがとうございました。
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